決算審議の途中ではありますが、自動体外式除細動器いわゆるAEDについて。
他の議員からもAEDに関しては多くの質問がされていましたので私からは、現在「目黒区が借り上げ契約をして区内各所に設置しているAED」に絞って質問。
現在までに公立小中学校、保育園、特養や高齢者福祉住宅、老人いこいの家、各住区センターや地区サービス事務所、図書館、総合庁舎、プール、体育館、公園など区内の公共性が高い施設にもおおむね設置されている状況です。
このAEDは心停止となった人の心臓の動きを正常に戻す機器であり、緊急の事案で利用されることは皆様ご存じの通りです。その重要性は消火器などと同様にAEDの置き場については区役所庁舎内でも、誰でもすぐに分かるように設置されていて、もしもの時には直ぐに見つけられる状態の場合がほとんどです。
今回私は質問の為の事前調査として、現在目黒区の各課が契約(契約金額総額が50万円以下の契約は各所管が行っている)している全てのAED契約の契約書と仕様書を情報開示請求していました。(契約自体を各所管で行っているので何かテーマごとにデータ化したいと思うとバラバラの情報を取り寄せるところから全てが始まる)
全ての契約書を並べて表で整理することで改善を要する問題点がいくつか露わになりました。
いざという時に見つからない。使えないAEDの存在
商店街にお願いして置かせて頂いている20件の設置については場所が分かりづらいものがいくつもあり、これは改善が必要と考え決算審議で質問。
設置後の確認も所管でおこなっておりますが、設置したという確認であって「まったく知らない方でもすぐに見つけられるかどうか」という視点が抜けているのではないでしょうか。
私はGoogleストリートビューで確認し、分かりづらいと感じたものをいくつか現地調査してみました。
質疑では実際に私が現地に行ってみて、個人宅の敷地内や車庫内にしか見えない位置に設置されていることから道路(歩道)からは通行人がすぐにAEDが設置されている事に気付くことが困難だと感じた箇所を例として挙げさせて頂きました。中でも課題が多い設置場所として目黒区目黒1丁目の「ブルースアレイ店舗内に設置されているAED」についてはこの店舗が「ライブハウス」であることから、私が調査のため現地を訪問した平日日中は当該店舗は営業時間外であったためガラス扉が閉められておりこのAEDを利用するためにはガラス扉を割って取りに行くしかない(緊急事態の場合はガラス扉割れるの?その後の保障とかどうなってるの?)状況にあることが確認できました。またHPで営業時間を調べてみると、18時から23時半ということも判りました。このように制約があるライブハウス店舗内に設置されているAEDはその設置場所として妥当だったのか疑問が残ります。
えっ? どこにAEDがあるの?
歩道からはAEDが設置されていることは一切わからないようになっていることからも設置にあたり当該店舗上にあるホテルの協力を仰ぐことなどはできなかったのか?という疑問も残ります。(その点に関しては、商店街にお願いしてやっと協力してくれた店舗だったので・・・という目黒区の受け身な姿勢が答弁から垣間見えました。)
確かに、「置いて頂けている」ことはとてもありがたいのですが、ただ同時に「置いているからにはいざというときに活用できる」ことが求められます。
心停止の状態は何もしないと1分経つごとに約10%ずつ救命率が下がっていくと言われています。
まったく知らない人が付近で必要になったときに「あそこにある!」とすぐに気づいて取りに行けることがとても大切です。それは火事の時に消火器がどこに置いてあるかが分かるのと同じ程度に重要です。付近の店舗で聞けばすぐに場所が分かり、すぐに取って来れる。そういう状況にあるのでしょうか?せめて表から見て、道路から見たときに「ここにある」と伝わるような表示をするなどの工夫はできないものでしょうか?
奥まった場所、分かりづらい場所への設置からもう少し表に移動する。あるいは今まで通り個人宅の敷地内の車庫内であったとしても、知らない人が入る動線として「すぐに入っても良い」と感じられるだけの案内板の設置などが必要だと感じられます。
他の議員からもAED関連の質問が続々
AEDに関しては24時間利用が可能な場所に設置を進める必要があること。そのためにコンビニエンスストアとの協力が得られるように協定を締結する方法。民間の協力店舗や協力者に設置助成金などで助成する方法。地図アプリなどオンラインでAEDの設置場所をもっと分かり易くする必要性など、など。様々な指摘がされていました。これだけ多くの議員から改善点が示されたからには一刻も早い行政の対応に期待しています。
住民の安心と安全のため、住民の税金から機器のリース料を支払い区が設置しているAEDは緊急時、命を救う設備の一つなのですから、さらに分かりやすくするため、置き場や置き方、そこが分かるだけの表示方法を改善するなどもう少し慎重に運用して頂きたいと思います。