ここが変だよ、目黒区議会 パート3

昨年8月21日、9月1日、今年5月30日のブログでもお伝えされて頂いておりますが「なぜ、目黒区議会は開かれた議会にならないのか?」

まず、議会の決まりをつくることや、議会の運営をする委員会があります。これが議会運営委員会です。ここに参加して賛成反対を言えるのは3人以上の議員集団=交渉団体会派と言います。1人だけだと参加できません。

https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/kugikai/kaigi/iinkai/gikaiunei.html

昨年から問題にしているのは「議会運営事項検討会」です。本当なら議会運営員会で議論する内容を、別の「検討会」としています。委員会は公開義務があります。しかし検討会にはありません。つまり「委員会だと公開しなければならないから検討会にした」ようにしか思えません。

実際に確認したら「議会運営委員会の下に設置された非公開の任意の会議体」なので「法律上、非公開でよいから非公開にします。それ以上の理由はありません。」とのこと。議会の運営上の事柄だけ話し合っているなら特に隠す必要などありません。普通の人なら思うのではないでしょうか。「公開したくない理由ってなに?」「議会の多数が参加してる検討会だから議事録もいらないし非公開ってどうなの?」 今回、そこはひとまず置いておくとして。

検討会では各会派から意見を求めています。「こういうことを改善したい」という要望を集めて、それに対して検討優先順位を各会派から出します。ABC3段階の優先順位でABが過半数のものから検討する。その中でもAが多いものから検討する。そういう順序です。

では1年で「何が決まったの?」と誰もが思うでしょう。今まで決まったことはこちら。

■ 議会フロアへのwifi導入

■ 議場での書画カメラの使用許可

■ 事務連絡のメール使用の許可

■ 委員会への水筒持ち込み許可(ペットボトルは不可・コーヒーは不可)

■ 給茶のセルフサービス化

これらは優先順位が高いと判断されたものです。

しかし、同じように検討事項になっているのに決まっていないもので、議員が最も気遣うべき予算の使い方に関わるものがたくさんあります。

■ 議員の報酬や長期欠席議員への対応 (白川愛超訳:議員報酬を、まったく来てない議員に渡すのは正しいの?)

当選後に病気になる人や事故に遭う人もいるでしょう。そういう人だとしても「当選した」ことで議員歳費(報酬)は発生するのですが、予算の賛成反対も出さない人は議員としてどうなのでしょう。一日も早く職場に復帰してくれるのが一番なのですが 、考えさせられます。

こういった税金の使い方そのものにダイレクトに直結してくる「お金にまつわること」は他にも検討事項としてあげられています。

各派検討事項一覧 (令和元年度期の検討結果)に関してはこちらのPDFをご覧ください。

注意:この資料は公開が原則とされている議会運営委員会の資料です。

また同時に、議会の外の話も話し合われています。

例えば議会運営と全く関係がないこと。「SNS投稿についてのルール作り」です。1000人を超える区民から付託された議員が集まって「SNS投稿はこうあるべきです」と議会でルールを作るほど暇なのでしょうか。

白川愛は「議会は開かれていなければならない!」と考えています。議会が自分たちの中で議員が発信する情報を規制したがる、それはどうなのでしょうか。

もちろん情報の中には決まっていないうちに流してはいけないものもあります。例えば役所内の人事が分かっていても公的な発表を待たなければ公表できません。当たり前のことです。(SNSのない時代ですが過去にはこういったものを外部に漏らした人もいたそうです。)

この「そんなことも議会で決めなきゃできないのか?!」という我が目を疑うような事項は自民党から提出されました。本当に、過半数に届かず良かったなと思います。

この様にABCの優先順位とその提案がどこの会派から出されたものなのかは、区民も検討会から議会運営委員会に報告された時点で知ることができます。しかし「どの会派が優先順位が高いとしたのか」「どの会派が優先順位が低いとしたのか」は、区民が知る方法がありません。

提案を見ると、どうでも良いことから重要なことまで様々な事項が上がっていることがわかります。

この中でも過半数に届かず検討されなかったものに「費用弁償の廃止」があります。

今回の着目は、税金の使い方そのものにダイレクトに直結してくる「お金にまつわること」の中から選んでいます。

まず聞き慣れない「費用弁償」という行政用語は【地方議会の議員が議会、委員会などに出席したときに自治体が支払う旅費。金額は条例で定める】ものです。

簡潔にいうと「旅費=出席する日の交通費」です。議会の本会議や委員会に参加した議員には全員、時間に無関係で支払われます。

目黒区の費用弁償はなんと定額(日額)制で、1回の参加につき2000円/日が支給されます。単純に1日議会を開くだけで2000円×36名分の費用弁償だけで7万2000円の税金が議員報酬以外でかかるのです。令和元年度(4月~3月)の1年間、本会議や委員会開催日数と議員定数36名で単純計算してみてもその総額は優に400万円を超えることがわかります。

そしてこの費用弁償、なんと非課税!!

議員は報酬の他、実費精算される非課税の政務活動費を支給され、
更にさらに非課税の交通費1日2000円も支給されているのです!!

それだけではありません、費用弁償の条例にあるように議員が招集に応じて公務のために特別区(23区)を行き来した場合も同様に日額2000円の費用弁償が支給されます。自転車で移動しても、バスで移動しても、歩いて移動しても金額は変わりません。

この様に旅費としての性質が強い費用弁償ですが、ちょっと待て!!
ここでまた新たな疑問が。

旅費、交通費って確か政務活動費(これも皆さんの税金)からも支出できることになっていませんでしたっけ??

そうなのです。目黒区では政務活動費の申し合わせ事項というものが存在しており、そこで政務活動費に充てることができる経費一覧の中に会派または議員が行う議会活動及び目黒区政に関する啓作などの広報活動に要する経費(交通費)と確かに記載されています。

議員一人あたり月1万円、年間12万円上限でガソリン代まで認められます。

更に、タクシー代。これもまた認められています。そしてその支出の範囲は議員の良識に任せる。となっています。

こういうとこるはゆるいのね…

23区の費用弁償の状況まとめ

※昔は5000円が基本だったそうです。都議会だと23区内の都議は1万円、市の都議は1万2千円だとか。

これら費用弁償も含めた議員の報酬全般に関して、選挙の時には声高らかに削減~!!と皆さんに訴えて候補者の削減案の政策に賛同して一票を投じている区民も多いことが伺えるのですが、実際どうですが? 当選後。その候補者は議員となり公約の議員歳費削減を実現しようとどれだけ活動していますか? そこは知りたいところだとは思いませんか?

でもこういうことは、昨年の「議会運営事項検討会」では「検討しない」ことになっているのです。この区民に公開されない秘密会議で話し合ったように見せかけつつ、信じて1票を投じた区民に報告もしない。そういう議員の活動を区民が知る方法もない。

ほんとにこれでいいのでしょうか?

区民生活が新型コロナ禍の影響で増々厳しくなるなか、税金の使われ方やムダ遣いには区民の皆様には今まで以上に厳しい目で監視して頂きたいと強く思います。

「非公開の場で話し合いが行われ、議事録も残さない」

こんな議論では、結局何が議論されたのかすら、将来誰も覚えていないことになります。議事録とは「こういう理由でやった」ことと「こういう理由でやらなかった」ことが明確に残されるから価値があるのです。だから本会議の議事録は「永年保存」として記録年限を区切っていません。これは「議論の歴史」が議事録だからなのです。

このままでは「どのような経緯で検討に値しないと判断されたのか」すら振り返ることができません。

先ずはその場に参加できない、発言も意見も言えない私のような無会派の議員は、こういう【検討会⇒議会運営委員会での発言権や投票権が認められている3人以上の会派の動向】をも注視していく必要があり、日々そういうことを区民にお伝えしていきたいと考えています。(無会派議員も事前に文章で要望を伝えることは認められています。)

検討会ローカルルール:無会派議員に認められているのは、会議の概要が伝えられ、検討項目の要望があった場合は、検討会に情報提供する。
無会派議員が傍聴した際に意見がある場合は、書面で提出。提出された意見は参考として検討会に上げ、メンバーが取り上げるか協議する

先ずはその場に参加できない、発言も意見も言えない私のような無会派の議員は、こういう【検討会⇒議会運営委員会での発言権や投票権が認められている3人以上の会派の動向】をも注視していく必要があり、日々そういうことを区民にお伝えしていきたいと考えています。(無会派議員も事前に文章で要望を伝えることは認められています。)

追記:私がブログをUPする度にわざわざ印刷して目黒区議会の議員さんたちに配布して下さる方がいるそうです。 どなたか存じ上げませんがこの場をお借りしてお礼申し上げます。いつもご愛読頂きましてありがとうございます。

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