日本でもDBS(Disclosure and Barring Service)を導入して欲しい

私は日本でも小児わいせつを防止する取り組みとしてイギリスで実施しているDBS(Disclosure and Barring Serviceの略で子どもに関わる全ての職種に就くことを希望する人は、DBSから発行される犯罪証明書の提出が義務付けられています。)システムを導入すべきだと強く訴えています。

そして国会議員には縦割り行政の弊害を打開する法整備に一刻も早く着手して欲しいと望んでいます。

2020年度に児童生徒らへのわいせつ・セクハラ行為で懲戒免職処分を受けた公立小中高校・特別支援学校の教員は109人

大手新聞社が今年の4月に47都道府県と20政令市の計67教育委員会に対しして20年度にわいせつ事案などで処分した教員数の調査を実施した結果(相模原市は「被害者への配慮」として回答しなかった)

2020年度に児童生徒らへのわいせつ・セクハラ行為で懲戒免職などの処分を受けた公立小中高校と特別支援学校の教員は少なくとも186人に上り、うち、懲戒免職となったのは109人であったとのことです。この事実を新聞記事で知り衝撃を受けていましたが、文部科学省による前年度の同様の調査(2019年度にわいせつ行為やセクハラで懲戒免職などの処分を受けた公立小中高校などの教員は273人)と比べるとこれでも処分者数は減っているとのこと。

でもこの減少は犯罪の危険性が無くなったわけでも増加傾向が減少に転じた訳でもありません。20年度は全国で一斉休校の措置が取られたことが影響したと考えられているからです。

日本では教員がわいせつ行為で逮捕されても3年で復職

一斉休校になったことを利用して犯行を繰り返していたケースなど悪質な事例が多々報告される中、5年間にわたり犯行を繰り返していた男性教員の裁判では(2019年12月に懲役14年の実刑判決)

二つの小学校で女子児童7人にわいせつな行為を繰り返していたという衝撃的な内容が明らかになった。公判でこの教員は「欲望のコントロールができなかった。被害者の気持ちをくみ取ることができなかった」「だれかに相談すればよかったが、結果的にこんなに多くの子にやってしまった」などと述べています。

何故このような事が可能になるのかと疑問に思うでしょうが日本では教員がわいせつ行為で逮捕されても、3年で復職ができてしまいます。

児童や生徒に対するわいせつ行為で懲戒免職処分を受けた教員が「教員免許」を再取得できることについて法改正が検討されていますが、現行法では最短3年で免許を再取得でき再び教壇に立つことが可能になるのです。

職業選択の自由が日本国憲法で保障されている事と禁錮以上の刑でも終了後10年で消滅する刑法の規定の両方が壁になり単純に禁止とはならないようです。

それでも国会議員の方にお話を伺うと医師法などと同様に、免許を交付する側に裁量的拒絶権を与えるように改正することで、この憲法上の職業選択の自由の問題をなんとか解決しようとした結果、議員立法による教員による児童生徒への性暴力対策を強化する「教育職員による児童生徒性暴力防止法」の成立に結びついたのだと理解しています。

縦割り行政の弊害
この様に国会でも何もせずにただ放置している訳ではない事も十分理解はしていますが、結局のところ各自治体の教育委員会が免許交付を拒絶できるようにできたところで、文部科学省管轄外である保育園などの厚生労働省の管轄で子どもと接する職に就こうとすればそれを不可能にする法律や制度は今の日本には無いと言うことになります。

今のままでは教育現場で児童に対するわいせつ行為で懲戒免除になったとしても、保育の現場でなら働くことが可能であり保育・教育現場の性犯罪抑止にはなっていないと言えます。子どもたちが利用するサービスや施設が多岐にわたって来ている今日の現状を考えれば文部科学省管轄、厚生労働省管轄でそれぞれ裁量的な判断に任せていたのでは子どもたちを性犯罪被害から守ることはできないと思います。

放課後や夏休みなどに子供たちが利用する「放課後児童クラブ(学童保育)」と障害児が通う「放課後等デイサービス(放課後デイ)」で、2020年度までの5年間に利用者へのわいせつ行為が確認された職員は少なくとも44人、被害者は69人に上ることが大手新聞社の全国調査でもわかっています。

再犯率の高さにも着目
性犯罪の中でも、こと小児わいせつに関してはその高い再犯率も問題視されるべきです。

法務省の調査によると性犯罪前科二犯以上では小児わいせつは再犯率が約85%であると報告されています。自ら自制が効かないのであれば「子どもに近づかない、近づかせない」ことを徹底できなければ再犯を抑止することはできないと思います。自ら欲求や衝動を抑えられないのであれば周囲が犯罪を犯しかねない環境から遠ざける事も必要なのではないかと私は考えます。

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