9月議会で一般質問をさせて頂き、その後日本全国に報道されました「DV被害者の転居先を加害者に漏洩した」目黒区の不祥事ですが、被害者の方と和解に至ったとのことで安堵しております。
ただその中で情報漏洩被害者に対してA4一枚の印刷された謝罪文と区長のサインが届いたとのことです。目黒区は1年にわたって放置された被害者に対しての礼儀を尽くしたのがこちらの紙一枚であるようで、私としてはその価値観に対して理解いたしかねます。
また、今回の個人情報漏洩事案の被害者となられた女性からは和解が成立した暁には目黒区長より事故の経緯や再発防止策など区民に対しても正式な記者会見等が開かれるに違いないと信じ、また区長の正式な会見を希望され目黒区側の代理人弁護士にも伝えていたとのことですが、その願いすらも聞き入れず正式な会見は一切開かず、最終的に目黒区はHPに謝罪文を掲載するにとどめました。
そして、その謝罪文の掲載場所もトップページではなく、トップページから → 行政情報 → 区長の部屋 → 区長の発言集 → 区長の発言(随時)と非常に深い階層であることから、ほとんどの区民の目に触れる事もないようです。
残念ながらこちらの区長の発言(随時)のアクセス数は集計すらされていないとの事で全くどれ程の区民に区長の謝罪の文章が閲覧されたのか、検証することもできません。
昨日の補正予算審議の中でなぜ、これだけの重大事故を起こしてしまったのか、問題発生の経緯や原因、そしてその後の対応や再発防止策に関しても区民への説明責任や情報の発信の方法が適切なのか再度区側の見解を確認させて頂きました。
【以下は私の質問内容】
問題となりますのはこの事件に対しての目黒区そのものの区民への対応です。こういった不祥事については、「不祥事の発生」「その結果」「結果に対しての対策」といったものをウェブサイト上に公表するのが一般常識だと私は考えておりますが、一向にその気配がありません。
正しい公表を行うことこそ、この情報漏洩をした目黒区が区民に対して失った信頼回復の早道だと考えますがいかがでしょうか?
また区長の謝罪文をトップページ及び区報に掲載されなかった理由はあるのでしょうか?
区長自らの言葉で説明責任を果たすという意味では親和性が極めて高いと考えられるビデオメッセージにしなかった理由などもあればぜひお伺いさせて下さい。
受け手にどう伝わったかを考えチェックすることまたアクションに繋げる事は大事だと区長も先の一般質問でもご答弁されていましたが今回のこのような形で非常に区民の目に触れずらい場所に最終的に区長の謝罪文を掲載したことで受け手側にどう伝わったと検証されているのでしょうか?お伺いします。
【区側の答弁超訳】
様々情報発信の方法(ツール)はあるが、どの媒体を利用するかは案件に応じて適宜判断している。本件事故に関しては相手方の事を考慮してまた個別状況に応じて判断した結果、区長の部屋が適切だと思った。
【感想】
要するにご都合主義ってことですね。
昨年11月の所管委員会では当該事故の担当部局としては組織的な原因があると認めた上で、今後生じるであろう結果責任については担当部局としての明言は避け、始末に関しては今後人事当局で判断がなされるという現状報告だけがなされました。
こういった漏洩事故においての処置として、所管において何らかの措置が行われたという話はその後も聞いておりません。また、今回の1年にわたる意図的な情報非公開に対して、誰かが責任を負ったという話も一切聞いておりません。
通常ならこういった大きな不祥事は行政機関の責任者、青木区長の管理監督責任となりますので率先して報酬の返納を行うなど,明確な失敗の責任を取るべきと考えますが、いかがでしょうか。
【以下は所管委員会での答弁内容を議事録より抜粋】
「不祥事の取扱いということなんですけれども、今回、この事案に関しましては、事故の原因の御説明でしましたように、事務処理の手順の不完全な部分があった、ここが一番大きい。それは、組織的な原因があると私ども考えておりまして、ただ、そうはいっても、誰か結果責任的なものも当然生じてくる、それは委員の御指摘のとおりだと思います。
ただ、私どもも担当部局なので、なかなかそれをどうする、どういう始末にするのかというのは、まだこれから人事当局のほうで検討される内容だというふうに思っておりますので、今現状そういうことでございます。」
【区長の答弁超訳】
様々責任の取り方はあるかとは思う。しかしながら青木区長は区長として考える責任の取り方は改善策をとることであり、給料を返納するというかたちで責任は取らない。
【感想】
改善策が十二分に取られたことでしょう、少なくとも青木区長在任中には二度と同様の個人情報漏洩は起こらないであろうと信じています!!
もしまた同じような事が起きたらその時はたたではおかない。
職員の皆さんもどうぞこの件を肝に銘じて日常の職務にあたって下さい。
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