目黒5歳女児虐待事件あの悲しい事件から今日で2年

令和2年3月2日(雨)

目黒5歳女児虐待事件あの悲しい事件から今日で2年(Yちゃんの命日)

時を同じくして千葉県野田市の小4女児が父親からの暴行により、自宅で短い生涯を閉じた事件の父親の公判が始まっています。

あまりにも痛ましく悲しい事件が起きたことで児童虐待のない目黒を実現するための決議文まで出した目黒区ではあれから2年何がどう変わったのか

(1年前のブログ 3月2日 結愛ちゃんの一周忌に思う事)
https://aishirakawa.tokyo/blog/4330

【現在の目黒区の対応】
区内の児童相談所設置の具体的な設置時期や場所などの未だ未定のまま区立の児童相談所の開設に向けた取り組みはスローペースで進められています。
具体的なロードマップが示されていない中で専門性のある職員の確保、育成のため、福祉職と心理職の職員採用では計画的に増員するとし、以前から品川児童相談所に職員1名が派遣されており、この職員派遣は引き続き実施、これにプラスして弁護士などの専門家による職員研修も実施される予定です。

そして今後は開設に向けた検討状況や課題について説明会や勉強会を開催し意見交換を行っていくそうです。これら区立児童相談所の開設を進めるために必要だとして区側が要求している予算金額は211万円。この予算要求金額を見ても区側のやる気の本気度が伝わってくると思います。

(専門職の育成や現状に関しては都内3か所の児童相談所を視察して)
https://aishirakawa.tokyo/blog/4694

【学校の長期休業と家庭の虐待】
新型コロナウイルスの感染が広がる中、政府は全国すべての小中学校や高校などに来月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請され、各自治体でその対応は分かれています。目黒区では明日から区内の公立幼小中学校の一斉休校を決めています。

現在公判が行われている千葉県野田市の事件でも冬休みに入ってから亡くなるまで一度も学校に登校しておらず、その間虐待を受けつづけていたとみられています。学校のアンケートでは「お父さんにぼう力を受けています」と父親からの虐待を訴え、児童相談所に一時保護されながらも、最終的に自宅に戻された末の虐待死でした。

夏休み、冬休み、春休みなど学校が長期間休みとなる時期は、子どもたちは学校からは解放されるけれども、虐待ハイリスク家庭の親子が毎日24時間一緒にいることにより、親子間の緊張関係が増大し、虐待へと発展する事例が多数あると長期休業中の虐待リスクに関して既にいくつかの自治体でまとめられている児童虐待対策の報告書にも記されています。

目黒区では区内の目黒・碑文谷両警察署と「児童虐待の未然防止と要保護児童の早期発見に向けた警察との情報共有等に関する協定」を締結しています。ですがこの協定の内容は互いが持つ情報を照会できるようになった、記録を確認できるようになった、確実にそれらが記録に残るようになった、要保護児童対策地域協議会への警察署への参加が要請できるようになった、という内容にとどまり、最優先されるべき子どもたちの安全確認と安全確保は緊急性、必要性に応じてとなっています。

この「必要とした場合」という一見耳障りの良い言葉にこそ危険性が潜んでいると私は考えます。常に誰か(人間が)がその緊急性や必要性を判断している限り必ず漏れは起こるでしょう。虐待事案を児童相談所が抱え込み、危険性が低いと判断して他機関(警察とも)と情報共有をしていなかったことで目黒5歳女児虐待事件は最悪の結末を迎えています。

児童相談所の裁量や判断に依存するような運用は子どもたからの視点が抜けているため、網の目のメッシュは狭まったものの依然として穴は開いている状況だとお感じになる方は私だけではないと思います。
(2019年3月25日に区内で配布したチラシ)
https://aishirakawa.tokyo/report/4163

未だ有効な再発防止策である警察との全件共有を拒否する東京都などの児童相談所。自らが仕事を抱え込み、常に人が足りないと疲弊している児童相談所任せにするだけではあまりにも不安。私たちにできる事として今あるリソースを最大限活用してハイリスク世帯への平日日中の家庭訪問などを実施して頂きたいと思います。

(区内にあるリソースの有効活用に関して一般質問した際のブログ)
https://aishirakawa.tokyo/blog/4619

【ダイアルナンバー 189】
虐待かもと思った時などに、すぐに児童相談所に通告・相談ができる全国共通の電話番号です。「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」」にかけるとお近くの児童相談所につながります。

通告・相談は、匿名で行うこともでき、通告・相談をした人、その内容に関する秘密は 守られます。令和元年12月3日(火)午前8時30分より、通話料を無料化しています。

2 Comments

  • コロナウイルスで学校が長期休校になる中、虐待されている子ども達、貴重な1食を給食に頼っていた子ども達にとってはまさに地獄です。そこに気づかれる方はとても少ないです。平日の家庭訪問をなさる目黒区は素晴らしいと思います。全国でやってほしいです。警察との連携を受け入れない地方自治体はとても多く、虐待と認知し救えたにもかかわらず、虐待による殺人は後をたたない。なぜ繰り返されてもそのまま放置されるのか信じられない思いです。
    児童福祉司を全国で2万人に、一時保護後の判断は裁判所による司法判断、幼稚園から義務教育とし、小学校卒業までは月に一回、保健所による健康診断を、幾つもいくつも網をはってどこかで必ず受け止められるようなシステムを、目黒区から全国に広めていただきたいです。大阪の民間主導の「ゼロ会議」をご存知でしょうか、虐待をする側の親の話を聞き、虐待死をゼロにしようとする活動です。公共の方々のお力と、一般人がお手伝いできる様な民間の力で、一気に変わらないと、あっという間に忘れ去られ、繰り返されてしまいます。白川先生頑張ってください。出来ることがあるならお手伝いします。もう、子どもが虐待されるなんて耐えられないです。

    • 樋田 泰子様 
      この度は大変貴重なご意見とご提案をありがとうございます。
      児童虐待は一つの機関で対応できるほど甘い事案ではない。
      関係機関が情報共有の上連携して対応しなければ子どもの命は守れないと考えています。
      樋田さんがおっしゃるように、幾つもいくつも網をはってどこかで必ず受け止められるようなシステムの構築が急務であると強く認識しています。今のままの一部でしか情報共有がされない縦割り行政では、その狭間で尊い命がみすみす奪われてしまう危険性が払拭できません。行政に求められているのは今までの連携強化から1歩踏み込んで子どもたちに関わる多くの機関が互いに客観的にチェック機能を働かせることができるような抜本的な仕組みの構築をどうやって具体的に進めるべきかを話し合い進めていくことです。その際には児童相談所の裁量や判断に依存するような現在の運用に加え子どもたからの視点でも検討して欲しいと私も働きかけています。大人たちが検討に検討を重ねている間にもいつまた同様の事件が発生してもおかしくはありません。
      予算を必要としない直ちにできる施策として、目黒区内では24時間365日2台体制で稼働している生活安全パトロールを虐待案件早期発見、重大事件の未然防止策として活用すること。そして私たち、自由を守る会としては、児童相談所と警察が全件かつ無条件に虐待情報共有を実施すること、今回の様な長期間に渡る学校の休校中の個別家庭訪問の実施なども求めて活動を継続してまいります。

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