目黒区区立スポーツ施設の値上げ条例に反対

正式名称「議案第68号　目黒区体育施設条例の一部を改正する条例」

未だかつて聞いたこともない、前代未聞の議案の出し直し

目黒区は第３回定例会（9月議会）にスポーツ施設の料金改定の条例改正案を提出した。
私も所属する生活福祉委員会で条例改正案を審議。当日、数少ない委員会質問の中で「八雲体育館の料金の引き上げ幅が他と比べても大きすぎるのでは？」という議員の指摘があった。区側は碑文谷体育館の平米数を引き合いに、面積だけを比べ「ある意味、これまでの八雲体育館の料金が安価に設定されていた」などという場当たり的な答弁をした。
委員会採決では賛成多数（白川と共産党のみ反対）により可決すべきものと一度は議決した条例改正案であった。しかし、委員会が終了した後に本来含めるべきでない「一般公開で利用するトレーニング室の面積」を含めて計算をしていたというあり得ないミスが起きていた事が発覚したのであった。

このように、本会議採決直前に議案撤回という経過を辿った条例改正案が、再び第４回定例会（１１月議会）に提出された。「目黒区立体育施設条例の一部を改正する条例」（要するに値上げ条例）に私は前回に引き続き反対をした。

なぜ、こんな事になったのか？

それは、『行政職員が丁寧な仕事を怠ったから』としか言いようがない。

私が議案に反対した理由は大きく３点

１．現場を見ずして料金改定などすべきではない！！

まず、料金改定（全体的に値上がりの条例改正）を実施するにあたり、事前の現場確認や現地調査として、料金算定を行う部署も、スポーツ施設を所管する部署も、どちらの担当者も料金を改定しようとする施設に赴いて実際に人の目で確認することなく、「書面上明らかだ」「面積の変更はない」など図面情報などの資料と業務委託をしている事業者からの報告のみで算定をしていた事が委員会質疑で明らかになったため。

２．長年放置した挙句の再算定にも疑問！！

次に、第３会定例会に提出し、算定（現地の平米数が実際の利用可能面積と違った）に誤りがあった八雲体育館以外にも（まだ他にもあった）条例改正案を出し直したこのタイミングで、しれっと追加で目黒区区民センター体育館のトレーニングスタジオの使用料についても金額の見直しをしたこと。

これについて更に説明をすると、

区は、平成２５年に行った前回の料金改定の際に、トレーニング室とトレーニングスタジオの一体的な利用が可能だという理由から両室を合算した面積で使用料を算定していた。

しかしながら、平成３０年には既に両室を隔てる可動式の扉が壊れており、扉は開けることがもはやできなくなっていた。この事実を区は知りながら修繕に多額の費用が掛かることを懸念して修繕を行わなかった。そのため、平成３０年以降実際には貸し切り利用が可能だったのはトレーニングスタジオ部分だけだった。それを八雲体育館の算定ミス発生で改めて他の体育施設も再確認したことで判明。

このような事態に陥るまで、現地にも赴かず長年の矛盾にも見て見ぬふりを貫いた目黒区行政のお粗末な実態が委員会質疑で明らかになった。

３．予定通りに値上げしたいのは区の事情。区民にとっては一斉値上げなど望むところではない！！

区有施設の使用料改定は原則４年毎に一斉に見直しをはかり、改定を行う事が基本。（社会情勢などに鑑みて料金改定を据え置く場合もある。）

現場確認を怠ったことでミスに気が付けなかったのは行政の責任であり、他の施設を値上げするからという理由で、算定ミスが判明した体育施設についても「一斉」を重んじたいのはあくまでも役所側の都合。実態と乖離した平米数に違和感を感じなったのは、机上のみで行った算定であったため。
いずれも現場を確認していなかったからこそ起こり得た結果に対しても、今後の改善フローの中に「現地を必ず確認しに行く」との記載のないマニュアルの再整備を行うとし、条例改定の再提出を急いだ（他の施設と共に4月に一斉に料金改定したかった）今後算定ミスが再発しないとは言い切れに程長年複雑な状態で算定根拠のデータを管理しており、その点についても根本的な見直しに着手していないことに不信感を抱いたため。

以上の３点が主な反対の理由です。

使用料算定に含めてはいけない１７３㎡を含めて使用料を高く徴収しようとしていた八雲体育館の改定前と改定後の金額。