透明性の高い目黒区政を着実に推進するための制度

本日、6月15日号の「めぐろ区報 NO.2138」が我が家にも配布されました。
そこで、掲載されている区政の透明化向上のための3制度の運用状況について、私の過去の議会質問に対する青木区長の答弁も含め、委員会で報告された内容についても触れながらブログにまとめておきたいと思います。

目黒区では、透明性の高い区政を着実に推進するために以下の3つの制度を運用しており、その運用状況を毎年区民に公表しています。

  1. 職員倫理制度
  2. 公益通報者保護制度
  3. 要望記録制度 

公益通報保護制度

今回このブログで触れさせて頂きたいのは2番目にあげた公益通報保護制度です。

これは、区政運営における不正行為を身近にいて最も早く把握できる区職員等からの通報により、早期に発見・予防・是正するための制度です。
令和3年度の通報が2件あり、うち1件は調査した結果、継続しても判断できないため再調査は行いわないとされたもの。
もう1件は、区職員等から通報を受けた第三者機関である弁護士(公益通報保護委員)により現在対応中となっています。

この件に関しては区報では「改めてお知らせします。」とだけ記載されていますが、 私たち議員にはどのような内容の通報があったのかまでは委員会資料として配布されています。

下記は委員会に報告された資料の一部です。

施錠ができない格納容器は、もはや、ただの箱

去る令和 3年11月24日 第4回定例会で私は、外部からの侵入が容易な場所に、区民の個人情報が記載された書類が無造作に置き去られている執務環境の改善の必要性を指摘すると共に、老朽化して施錠が容易に、また確実に行えない備品は、早急に施錠ができるものに交換、修理する必要性をご指摘させて頂きました。
今回の通報内容でもあり、現在対応中とされている令和4年2月22日の通報内容が個人情報の流出を懸念した内容であり、また施錠についても不安視するものだった事にたいへん驚くと共に、以前にも同様の指摘が上がっていたのですから令和 3年11月24日から令和4年2月22日の間に青木区長がどのような対応を取ったのかが非常に気になりました。
以下は当時の区長の答弁内容の抜粋です。

http://www.kensakusystem.jp/meguro/cgi-bin3/ResultFrame.exe?Code=hxcvax8v0tgrybompl&fileName=R031124A&startPos=0

常に施錠していなくとも、セキュリティー対策は徹底!?

青木区長からの答弁では「執務室内での文書の保管は施錠可能なキャビネットに保管しており、退庁時には施錠するなど、セキュリティー対策を徹底しております。」というものでした。さらに「個人情報の適正な管理を実現するに当たって、問題が発見された場合には、直ちにその改善を図るものとし、それが難しい特段の事情がある場合には、次善の策を講じることにより、個人情報の漏えいリスクを最小限に抑えることとしている」と明確に答弁をしていました。

しかしながら、令和3年度の公益通報者保護制度の通報内容が委員会報告され、通報内容にある「個人情報を扱う区の部署において、扉とロッカーの施錠が不十分なため個人情報が流出するおそれがある。」「機密文章を外部委託する際に施錠不十分な格納容器を用いているため個人情報が流出するおそれがある」という内容から考えるに、もしも区長の答弁が正しく、またこの公益通報が正しいのであれば、令和3年11月24日から令和4年2月22日までのほんの2ヶ月の間に「通報事例の内容が生じた」ということになります。

区長が講じていたはずの『次善の策』とは?

区長が徹底していると答弁した直後に部署でこのようなことが発生するほど目黒区行政が緩んでいるということなのでしょうか?私にはそうは思えません。もしもそう考えると、つまり、この通報事例は区長の答弁前から存在していたが存在していたものについて区長も各部局の部長職、課長職も確認していなかったということになるのではないでしょうか?

これは答弁にあった「直ちに改善を図ることができない『特段の事情』が存在する」ため「次善の策を講じていた」ものなのでしょうか?そうであれば『特段の事情』と講じていたはずの『次善の策』はいかなるものなのか、改めて確認する必要性を感じます。

今後の改善の参考のためにも、一刻も早い第三者機関の報告が待たれます。

こういった通報があった場合には、第三者機関である弁護士の調査や報告を待つばかりではなく、積極的に個人情報の漏えいリスクを最小限に抑えるために区長が取った次善の策も合わせてぜひ議会報告をしてもらいたいものだと思います。(白川:私の所属する委員会での報告案件だったら絶対にその場で確認しているのになぁ)
私が議員に当選以来一貫して取り組んできた「区民の大切な個人情報を守るための議会活動」ですが、残念ながら現在5期目(1期4年の任期を全うすると20年間区長として在職)のトップ青木区長のずさんな個人情報の管理体制、危機意識の薄さ、コンプライアンス意識の欠如によって個人情報の流出事案が後を絶たない目黒区です。

過去には2020年9月議会で青木区長に対して質疑をした目黒区DV被害者個人情報漏洩問題が起こりました。

https://aishirakawa.tokyo/blog/5028

https://aishirakawa.tokyo/blog/5129

2021年4月から11月までの7か月間で個人情報の漏洩事案が6件も発生していました。


直近では令和4年5月25日に「目黒区パパとママの離婚講座」への参加申込者2名の氏名、電話番号、メールアドレス、お子さまの年齢、講座に参加して特に知りたい内容が漏洩していたことが6月9日に報告されたばかりです。
https://www.city.meguro.tokyo.jp/gyosei/koho/hodo_news/20220608.html

まとめ

私は今回の通報の内容を確認して、 このようなトップが率いる組織の中にありながらも 目黒区職員等、内部の方々が未然に漏洩のリスクを洗い出し、これまで以上に危機意識を持って日々の業務の改善にあたって下さっていることには大変期待が持てました。そして個人情報保護を訴え続けたきた議員としての活動も微力ながらも職員等の意識の変化に貢献できたのではないかと思うに至りました。

目黒区の信用を回復するのは職員一人一人の真摯な対応と行動にかかっていると思います。


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