私がこの予算案に反対した理由は大きくは以下の4点。
翌日になったら答弁が一転!
1・税務課が保存している個人の税情報は保存年限を過ぎたら速やかに削除されるべきであるにもかかわらず、年限を過ぎてもシステム内部に保存されたままになっている件を確認するも、地方税法の条文を読み上げ「一番長い7年に統一している。それ以外は存在しない」と答弁した翌日「7年を超えてなお保存している個人の税情報がある」と一転。
そのうえ日が変わって税務課の予算審議は終わっているからと、再質問もさせて頂けませんでした。
事前に委員長には答弁が修正されるのであれば再質問をさせてもらいたいと申し出ましたが却下されました。修正後の再質問を受け付けないという運用を許可した議会自体の内部の問題はあります。
しかし、それ以前に「間違いのない答弁を行う」という、議会と行政の間の了解、質疑の根幹である部分が目黒区行政から提示されなかった事を問題視。
もし行政機関が意図的に虚偽の答弁を行っても、後に修正すれば問題ない、という意識の表れにすら見えてしまいます。たった一度の質問機会にまともな答弁をしない。そのような課長がいる。ではその下の部下の皆様は、1人1人の区民に正しい返答をしているのか。
そういうレベルの行政運用姿勢の誠実性に多大な疑問を抱くに至りました。
これが今回の反対における最も大きな理由です。
【?のつぶやき:「無い」と言い切って実は「あった」。
これは虚偽答弁を意図的、あるいは意図せずに行政が行っても、翌日修正すればそれでおしまい。議員は黙ってろ、と言わんばかり。データが消せない理由も一括で削除できないからというお粗末さ。一括削除ができないから放置する。
税務課は過去にも全国紙で報道されるレベルの個人情報流出事故を起こしているが相変わらず危機感が無い。不要になったデータは適切に削除していかないと、また事故を起こすリスクが高まる。】
今、目黒区では「個人情報」という取扱要注意のものを「とても安易に処理している」ように見えます。私はそれを強く指摘しています。
個人情報の管理については、もう何年も問題が放置され続けているので指摘しているのです。
税務課の個人情報流出事故に関しては過去ブログ https://aishirakawa.tokyo/blog/5028をご参照下さい。
他にも予算に反対した理由があります。
職員の声も無視!
2・執務環境の改善を図る目的で年に2回実施されている目黒区役所庁内の環境測定の結果には「たばこ」に関する今年度の測定結果として、複数の課から「風向き等によっては、たばこ臭やたばこの煙が流入し、窓を開けられないことがある」旨の報告が上がっていました。この結果は全ての職員に公表されているにも関わらず、総務課長はその内容すら把握していませんでした。そしてこの環境測定の結果を職員からの正式な声として認めてもいませんでした。更に驚くべきは、今、私がこの場(議場)でその事実を伝えているのですが、改善のために対応してもらえますか?と確認しても今後そのような声が職員から上がってくれば必要に応じて改善をはかると回答。
【?のつぶやき:何のために環境測定してるの?執務環境の改善を図るためじゃなかったの?結果が出てるのに無視する気なの?!
職員さんが窓を開けられないと声をあげても無視される役所では区民の声すら聞かなかったことにされかねない】
おねだり上手な外郭団体!
3・元職員の再就職先でもある外郭団体。目黒区にはいくつもの外郭団体が存在していますが私が今回の予算審議で質問したのは一般社団法人めぐろ観光まちづくり協会について。
目黒区が年間何千万円も補助金を投入しており、その補助金で事業を行っています。もちろんその補助金は一円残らず皆様の税金が原資なのは言うまでもありません。
その補助金を使って実施する外郭団体の事業の全てが団体内部で完結しているわけではありません、外郭団体から更に外部の事業者に委託されているもあるはずです。(?メモをご参照下さい)
しかし目黒区は、外郭団体から外部に委託されている事業がどれだけあるのか全く把握していませんでした。そんなことで外郭団体に区の事業を委託するメリットがあるかをどうやって検証するのでしょうか?場合によっては区が直接外部の民間事業者に発注した方がコストや効果でメリットがある場合もあるのではないでしょうか?
今は地元の人と交流ができる地域体験予約サイトなどがいろいろあり、個人で参加したりホストになったりと地域ならではの観光体験ができる時代です。
外郭団体の必要性の検証をせず、事業評価も行わない。そのような行政運営でどうやったら効率的な運用が可能になるのでしょうか。
この外郭団体は令和2年度には区の予備費170万円を充用してコロナ禍でもできるまち歩きを実施するためにワイヤレスヘッドフォン60台を総額240万円で購入しました。予備費を使うというのはよほど緊急性が高い必要経費だと思いましたが、実際に昨年10月に実施されたまち歩きに参加したのは10名だけ。
そして、今回はスマートフォンなどの電子機器、デジタルを活用して用区内の観光スポットを巡って頂くという事業を実施しようとしているようです。
デジタル活用と言えば 「めぐろ」 「観光」のキーワードでインターネット検索をすると一般社団法人めぐろく観光まちづくり協会は Meguro-kankoは共通で「.com 」と「or.jp」 という2つのドメインでそれぞれ違うHPを公開していることがわかります。それぞれのページで会員募集やイベントの告知などを行っていて、これではかえって閲覧者の混乱を招き、トータルのアクセス数が減少するなどのネガティブな反応が表れるのではないかと危惧されます。
この件に関しても目黒区は外郭団体のHPも確認していないようでした。
目黒区はこの法人の存在意義を語るとき決まって「目黒区観光ビジョン」を持ち出します。
改めて読み返すと「各事業者の役割として利便性の向上、情報発信の強化などで区の観光振興に寄与すること」と書かれていました。また「情報の受・発信にあたっては、区とめぐろ観光まちづくり協会は役割分担しながら連携、協力して行なう事」とも書かれていました。
デジタルの活用をしようとしているならば、なおのこと利用者の混乱を招く恐れのある情報発信を続けている外郭団体に対して区もサポートをしてあげて欲しいと思います。
その他にも、目黒区観光ビジョンには区の役割として「各関係団体が、主体的・自立的に活動できるよう支援していきます。」とも書かれていました。
会費収入や事業収入、広告協賛収入など民間から得られている収入が支出合計の1.25%しかない当該外郭団体に対して目黒区は今後どのように財政面含め団体の自立した活動を支援していこうと考えているのでしょうか・・・
予算審議で確認するも返ってきた答弁は、検定の収入で自立!!
【?のつぶやき:目黒検定なるものの検定試験のために公式教材を1000円で買わせ、検定料3500円も受験者から徴収するのに検定に合格しても一社主催の目黒区の町歩きに無償ボランティアさせられるというビジネスモデルね・・・】
【?のメモ:令和2年度の一般社団法人めぐろ観光まちづくり協会の決算書によれば
この法人は目黒区からの補助金の48%にあたる約2,000万円を人件費にあて、販管費を引いた残り34%金額にして約1370万円の事業を行いましがそのうちの1270万円は法人が外部に委託した経費でした。更に驚くのが水道光熱費の高さ。年間250万!!利益50万しかないのに!!利益の5倍の光熱費を支払っています。民間企業であれば即廃業レベルです。
目黒のガイドブックの印刷に500万円。目黒区のおみやげを紹介する冊子の印刷に100万円。PR動画を作れば280万円。ロゴマーク制作費に150万円】
外郭団体は,一般的に,①民間資金の活用による柔軟な運営が可能であること,②民間知識・ノウハウを活かした事業展開が可能であること,③柔軟な事務執行が可能であること,などのメリットがあると考えられていますが、その一方で,地方公共団体は,最少の経費で最大の効果を挙げるべく,効果的・効率的な行政運営に努める必要があります。
このことは,役所だけでなく,外郭団体の経営においても同じであると私は考えます。
生活保護費をクオカードで支給!
4・目黒区が生活保護受給者の金銭管理を委託している事業者では人手不足を理由に頻繁に生活保護受給者と面会することができないという理由から500円分のクオカードをまとめて何枚か受給者に送付していたという事実がありました。
来年度は更に事業を拡充するための予算が計上されていましたので、扱い件数がさらに増加して人手が足らないと言っている委託先の人員体制は大丈夫なのかと心配になりました。
予算審議で確認したところ、どうやら人員も増やすとのことなのでこの件は一安心。
でも待てよ。そういえば・・・
このクオカードで生活保護費の一部を支給していた件に関しては、
クオカードという商品になってしまった時点で仕入れが発生しているわけで、それを管理するための台帳には500円のクオカードの仕入れが発生した事実が記載されていなければおかしいですよね?
というわけで委託先事業先台帳管理の仕方、そしてその報告を区はどれぐらいの頻度で受けることになっているかを改めて確認。
「委託先の台帳管理の提出は月に1回、目黒区の生活福祉課職員が委託先事業者に出向いて台帳と口座残高を突き合わせて確認している。台帳にはクオカード数枚と当然記載されている。」との答弁。
目黒区はこの件に関しては本人が同意したので問題ないとしていますが、そもそも
委託先の事業者が受給者本人と定期的に面会できるような体制をとっていたらまとめて何枚もクオカードを郵送する必要なんてなかったのですけどね。
【?つぶやき:それだけの頻度で確認して台帳にもクオカードって記載されていたなら、
私にクオカードで支給するのは止めて欲しいと指摘された時点で区もその事実を把握してたはずなのでは?でも確かその時はそんなことは「あるはずがない」と課長は言っていたよね。とにかく委託先に確認して欲しいとお願いした結果「クオカードで支給していました。」と判明。
この委託先の事業者がクオカードをどこでいくらで購入していたのかまでは私にはわかりませんが、一般的にも金券ショップに行けば額面500円のクオカードが480円ぐらいで取引されています。クオカードは近所のスーパーなどでは使えるお店がほとんど無いので結局コンビニ等の割高な店舗で利用することになるのです。
それが不便だという理由で500円のクオカードを金券ショップに売りに行くと手数料が引かれて450円前後で買い取られて行くわけです。換金可能なクオカードにしたメリットって何でしょう・・・】
行政のあるべきカタチを示すべく行った質疑ですが、答弁は常に不十分なものが続きました。
自分たちは間違いがない、絶対に正しい、その思い込みが最も危険な間違いを創り出す!
最後に私は討論で以下のことを目黒区にお伝えしました。
答弁で共通する「ない」という表現について、理事者の皆様はちゃんと区別して下さい。同じ「ない」という答弁でも、「理事者が確認していない」という話と「確認した結果として、その事実は存在しない」は明確に違います。この違いを正しく認識し、理事者として行政職員として恥ずかしくない答弁をするようにして頂きたい。予算審議においては、理事者は各所管の情報を集めて出席頂きたいとご指摘いたします。
青木区長へは行政経営者として、株主たる納税者、目黒区民への説明責任を果たし、従業員たる職員教育を徹底し、血税の無駄を徹底排除した区政を実現することを強く求めます。
以上が反対の主な理由です。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
現在、議会活動レポートVol.4を配布中ですがデジタル版はこちらからお読み頂けます。