文教子ども委員会行政視察報告書

令和元年10月23日〜25日

奈良市における研修体制と人材育成の取り組みについて(10/23)
〜持続可能な「幼児教育アドバイザー」育成のための体制構築と展開〜

説明員:
奈良市子ども未来部 保育総務課 課長補佐  池部 順一 様
奈良市教育委員会事務局 教育部 学校教育課 指導第二係 指導主事 今岡 真紀 様

文教こども委員会  白川 愛

 奈良市では93施設を子ども施策として一括所管しており、幼保連携型認定こども園へ全園移行を目指して進めている。幼保連携について認定こども園制度ができる前から進めてきた目黒区として共通する部分、参考にすべき部分を中心に報告します。詳細につきましては視察時の資料をご参照いただくようお願いします。

 子ども未来部は、教育委員会と保健福祉部に分かれていた「幼稚園と保育所の業務」を1つにまとめた部局です。目黒区の子育て支援部に教育委員会の幼稚園部分の業務を一体化させるに等しいものとなります。

 あくまで「子育て」という部分から光をあてるならば、幼児教育の無償化も取り入れられた現在では将来的には目黒区も同様に「子ども中心」に担当部局を整理するほうが効率的と考えます。

 こういった先進的な試みを評価され、奈良市では平成22年度には文部科学省から幼児教育の改善・充実調査研究の委託事業を受けています。

 平成25年度にはこども園カリキュラムバンビーノ・プランの策定を行なっている。カリキュラム策定の中核を成すのは年齢に応じた保育、教育の充実と特色のある活動内容、まさに目黒区を含む他の自治体でも学べるものが多いものでした。年齢に応じた生活、経験、発達という連続性を持たせることで、必要な経験を積ませる。あくまで子ども視点での育成を考える方式により、幼稚園や保育所から小学校教育への接続が容易になっています。

 平成27年度に文部科学省から幼児教育推進のモデル調査研究の委託、幼児教育アドバイザーの育成プログラムを開発施工を始めています。平成28年には持続可能な幼児教育アドバイザー育成のための体制構築と展開を研究課題として実施し、平成29年には幼児教アドバイザー育成を持続可能にする研修体制の構築を目指し取り組んでいます。文科省からの補助金は本年度から50%に減額となりましたが順調に事業を継続しています。

 こういった育成での特徴はやはり「保育園・こども園・幼稚園」を一括管轄することで広い視野を育てながら専門性の向上を目指せることです。

 勤務時間内の余剰を活用しての研修は、目黒区ならば余剰時間のある児童関係職務の職員への研修などに転用が可能な部分も思いつきます。いずれ広い視野を持って活動することになるため、丁寧な育成が必要なのはいうまでもありません。

 所管連携については教育委員会から保健福祉部への事業委託という形式で、事業開始準備としての条例も策定しています。これらの施策運用は、幼稚園では教員身分となるものを行政職員の身分に変更することで可能になります。

 こういった市の内部事務レベルでは一元管理してレポートラインをまとめていますが、補助的に市長部局から教育委員会への報告もしています。厚生労働省には保育総務課が、文部科学省には学校教育課がそれぞれ報告しているとのことでした。

 教育する人数が少ない利点を生かし、研修では直接的なかたちでお互いの顔が見えるようにしている。ただし目黒区で活用するならばイーラーニングなどの方式で進める部分も一定範囲で作る必要があると考えられます。

 次世代リーダーについて、奈良市では全てが職員なのでアドバイザーでの職務手当加算は起きません。しかし目黒区で類似の施策を行うなら、私立運用の保育所や私立幼稚園などでの環境整備も踏まえ、職務手当の加算についても検討する必要があるかもしれません。

 都内でも保育士全般において時短勤務者の割合が増えています。退職者が決して少なくはない現状の中、どの自治体でも保育士の確保は喫緊の課題です。

 こういった経験豊富な次世代リーダーが活躍できる場を周辺の他自治体に先んじてつくることは保育士の長期的な確保という視点では有効です。

 次世代リーダーを育成するために必要な施策を整理して実行していくことは、今後の目黒区の子どもたちを育成する長期的視点として考えるべきものだと結論する次第です。

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