都内3か所の児童相談所を視察して

人材不足。

これは児童相談所に限ったことではく、もはやあらゆる業界で人手不足が起こっています。

今回都内3か所の児童相談所を視察させて頂いて、どこの施設でも感じたのは、結局は人の問題ということでした。ただ単に人が足りないという意味ではなく。これまで適切に人材を育成するための方法が取られてこなかったのではないか?という疑問でした。

児童相談所の権限強化を訴える議員もいますが、私たち自由を守る会が児相の視察で感じた違和感は、権限強化で解決できることでは無いように思います。

児童相談所に情報も権限も集中した結果、過去10年にわたり児相が関わっていながらも26人もの尊い子どもの命が犠牲になっているのも事実です。このような最悪の事態が起こるのは権限の問題よりもむしろ状況がきちんと把握されておらず、見落とされた時に起きています。ミスや漏れをチェックできなかった体制の問題も大いにあると感じています。

結愛ちゃんの事件では転居前の香川県の児相から支援の経過記録が東京都に送られ、更に何度も連絡を受けており、香川県の病院も直接都の児相に連絡したという報道もありました。

自治体をまたぐこのケースに関しても単に伝達のミスでは無く、その時点で東京都の児相には、危険性が高いものと自ら判断する責任があったのではないかと私は考えます。

都の児相にはなぜその判断ができなかったのか、疑問が残ります。

結愛ちゃん事件の公判では被告である母親自らも結愛ちゃんが一時保護された時に「自分も保護されたい」と訴えていたことも語られ、結愛ちゃんだけでなく結果として母親のSOSサインも見過ごされてしまっていました。

この事件を受けて政府も虐待通告から48時間以内に面会などによる安全確認ができなかった場合は立ち入り調査を実施することや、児童福祉司を今後4年間で2000人増員する等の児童虐待の緊急対策を発表しました。児相の職員さん達が多くのケースを抱え日々の対応に忙殺れているのも事実ですので増員することにはもちろん賛成ですが、今回視察させて頂いた都内3か所の児相ではどこも口を揃えて、人材の育成が課題だとおっしゃっていました。職員を増員したとしても直ぐさま戦力になるかといえば、現場では専門性や経験が問われるケースが圧倒的に多く、それぞれの児相が担当している地域によってもケースの内容にも地域性もあると伺いました。その様な経験値と肌感で職員さん達が各々持ち合わせているノウハウをどの様に新人の職員さん達に伝えていくのか、同時に高い指導スキルを持つ職員さんの探索に困難を来たしている実情が垣間見られ、どうしたら仕事の中で具体的にどう「考えたらいいか」「行動すべきか」までを教えることができるのかとても考えさせられます。

目黒区では児童相談所の開設時期も予算確保も用地の選定もこれからで、具体的なロードマップが現状策定されていません。開設時期や規模も未定のまま人材育成を優先し、現在職員さんの児相への派遣を行っており品川児相に派遣されています。派遣中の職員さんは派遣期間が満了した後は目黒区の子ども家庭支援センターに戻り勤務されるのですか?と先日の委員会でも聞いてみましたが、人事のことなので必ずしもそうなるとは言い切れないそうです。

せっかく時間をかけて人材を育成しても移動や退職などもあり開設時点まで継続的な人材育成ができるノウハウを確保するのはかなり難題だと感じました。また感情労働の職場なので希望して派遣されて来たとしても短期間の育成プログラムでどこまで力を発揮できるまでになるのか、受け入れ側の負担も大きい事をお話し下さいました。

全ての職員を自前で育てるのは現実的では無いので中途採用で確保するにしても3年でまあまあ。5年でチーフレベル。10年でリーダー。が目安と言われている中、今後増々なりて不足も深刻になっていく事が予測され、ベテラン職員の争奪戦も激化するのではないかと危惧しています。

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