自らの報酬UP案に反対されてヤジる区長

私は12月の本会議で【議案第60号「目黒区長等の給料等に関する条例等の一部を改正する条例」】に反対をしました。この議案に反対したのは共産党と維新と私だけ。

今までも数々、区民からの強い要望に対して予算を理由にできないと区民に対して負担を強いてきたのに、そんな中でなぜ?自分たちの報酬UPは進んでできるのか不思議でなりません。このご時世にこの様な報酬UP案に区民の皆さんからの理解が得られるのでしょうか?そしてそのことに反対する議員に対してヤジを言う区長には正直情けなすら感じてしまいました。

私の反対内容は以下↓

この10月に消費税の増税が実施され区民生活は決して安定した状態ではないことは、議場におられる皆様全てがご存知のことでしょう。その中で人事委員会勧告に基づき報酬を減額する、というならばもちろん私も賛成できたことでしょう。

しかしどうでしょうか。今回の条例は「月額報酬」を減額することを最初に提示しながら同時に期末手当てでは増額を明記しているのです。

例えば区長報酬では現行の106万1千円を105万5千円に引き下げられることから月額報酬では6000円の減額となります。
しかし同時に従来どおり、年に3回支給される期末手当すなわち民間企業のボーナスに相当するものでは、6月と12月で合計0.15ヶ月分の増額になります。そして東京23区では地域における物価格差解消という口実で地方公務員報酬には地域手当20%が加算されます。これはもちろん区長にも適用されています。そのうえで今回の改正では区長の期末手当は改正前と比較して23万2460円の増額となります。

月額報酬では年にして8万6400円の減額となりますが期末手当の増額分と差し引きますと結果的に14万6060円の区長報酬増額議案だということがわかります。

見かけでは月に6千円を減額したとしながら、実際には月に1万2千円以上に相当する増額議案なのです。

この議場に古くからおられる議会の方々は、この数年急激に増額されている期末手当の推移をご存じのはずです。例えば区長においては平成27年度、つまり青木区長3度目の任期の最後は3.15ヶ月でした。それが再選した今期においては平成29年度には年間3.35ヶ月、議案の通り昨年平成30年度は年間3.45ヶ月、今回の改定で令和元年度は3.6ヶ月への改訂をするというのです。

たった4年で、区長報酬と地域手当20%を加えられた中で毎月実際には120万円を超える区長報酬。そのうち0.45ヶ月の増額ともなれば年額にして50万円以上にもなります。それをたった1期4年の間に増額しているというのは、いかに人事委員会が勧告したと言えど、正当であるのかに疑問が生まれるのは当然ではないでしょうか。

議員報酬ではどうでしょう。役職のない私のような議員は月額で3千円、年間で3万6千円減額されますが、同様に期末手当では0.15ヶ月の増額となりますことから、全体で約8万円の増額となります。参考までに申し上げますと議長ですと月額で5千円下げていますが、期末手当との差し引きでは約10万円の増額になります。
ですから区長は約15万円、議長は約10万円、議員は約8万が年間の収入として上がるのが今回の改正です。

ご存知のように議員には地域手当も退職金もありません。しかし区長には退職する4年に一度支給される退職金制度があります。「目黒区長等の退職手当に関する条例」によれば給料月額に勤続期間の年数を乗じて得た額の4.5倍、つまりこの改正後では1899万円となります。すでに3期、つまり3回にわたって退職金を受け取っている区長は、既に6000万円近い退職金を受け取っておられます。そして来年の4月にはまた約1900万円が支給される予定です。

区長は目黒区における責任者です。行政運用についての最終決定権者です。ですから、ある程度高額な報酬を受け取るのは当たり前でしょう。ただ、区長はことあるごとに区民の皆様に「目黒区は財政難である」と伝えてきました。私も立候補前に何度となくお聞きしております。その目黒区で、区長という最高決定権者の給与がもっとも増額され続けていることになります。

通常経営責任を考えるとき、財政に問題があるのなら経営者層から多くを減額して現場に還元するものです。今は亡き前区長は財政対策として区長がより多くの報酬カットを実行しました。そういった費用をもとに今の目黒区庁舎の取得をしたと聞いています。しかし青木区長は違います。目黒区では今回の報酬改定で「区長自身がもっとも高額になる報酬増を提案している」のです。

今年4月、ここにいる議員の方々にも議員歳費の減額を含めて目黒区の支出をまず自ら抑えることを提案してご当選された方がいらっしゃると思います。とても崇高な理念であり、姿勢として評価すべきだと考えます。

私たち公務員は区民の皆様に負担をお願いする場合が多々あります。保育園が足りていない、高齢福祉施設が足りていない、そういったときに「大変申し訳ございません」と区民の皆様に対して常に頭を下げて我慢を強いている部分があります。

区の職員でも現場に近ければ近いほど、そういった苦労を感じておられるものです。
しかしその中で「責任者がもっとも実際の報酬を増額されている」のはどういったことでしょうか。経営責任として考えれば、責任者は自分の報酬増を抑え、現場で苦労している方々に還元する。あるいは区民に還元するのがスジではないでしょうか。

人事委員会勧告に従うという姿勢だとはいえ「自分たち、区の経営に携わるものたちが現場の方々より優先して一層増額される」のは本当に正しいのでしょうか。
目黒区を経営する経営者たるべき区長が、また、それらをいさめるべき立場の区議会が、自らの立場に関する報酬増額に対して疑問の声を上げない、などということは許されないと考えます。

区民の代表として多くの権限を持ち、またその中で決断をする立場である区長の苦労も拝察いたします。しかしながら「退職金で次の4月には約2000万円を支給される区長」が、のうのうと自分自身の報酬で年間約15万円の増額となる議案を提出してきたことに驚きを禁じ得ません。「ほんの4年で、年間報酬を合計50万円以上も上げることになる議案」を出して恥ずかしいと感じない姿勢は情けなさすら感じます。

人事委員会勧告は、あくまでも「勧告」です。区長には当然拒否権もあります。実際に名古屋等で首長が拒否した事例もあります。ですから、必ずしも「踏襲すべきもの」や「答申に従うべきもの」なわけでもありません。

仮に条例の性質上、職員手当てとして可決する必要のある部分があるとしても、特別職においてはこのまま可決すべき事案とは思えません。

もしもこの議場におられる方々のうち、私の主張にご賛同いただける方がおられるなら、今からでも反対の声を上げていただきたいと思います。

目黒区議会のルールでは、議事の進行をスムーズにするため「賛否表明は数日前におこなう」ことになっています。かくいう私も先週の金曜日に申し伝えております。しかし、議場の討論とは、本来討論で新しく出てきた情報をもとに賛否を「変えてもらう」ために行うものです。

議員を長く続けておられる人ほどおちいりやすい「本会議場に入る前に賛否を表明したから変えられない」「会派の意思決定には逆らえない」などという消極的な姿勢ではなく、自分自身が区民から付託され、期待されている責務を思い返し、ご一考いただけると幸いです。

以上

私のこのメッセージごときで心動かされ賛否の態度を変える議員こそ現れなかったものの私と同じく新人議員の皆さんには、明文化されていないルールは慣習であり必ずしも守るべきルールではない、そしてそれは言い換えれば変えることもできるルールだとという事をお伝えしたかった。

そして、区長の私に対して言ったヤジの「人勧じゃなくて報酬審だろ~!!」「特別職の報酬は報酬審が決めるんだよ!!」という内容は更におかしなことで、それにのっかって、私に対して「知らないんだよ!!言っても無駄」と更にヤジを飛ばした先輩議員もまたおかしいことを言っていると思う。

なぜならこのヤジの内容から、目黒区では特別職報酬を報酬審議会で決めると区長が信じていたということがわかるから。

しかしながら、区長の言う審議会というのは自分の報酬を決めるために違法性がないよう区長が実行する手続きであり、提案内容は東京都人事委員会の勧告を基礎にする。それを区長自身が「上げてもいい?」と諮問する。それを確認しているだけの審議会には金額決定権は無論ない。

あくまで決定権者は議案提出の区長で、勧告にも基づかず諮問したのなら、それこそ「自分の報酬をあげるために提案した」だけでしょう。ということになる。

目黒区特別職報酬等審議会についてはこちら(目黒区のホームページ)
https://www.city.meguro.tokyo.jp/gyosei/keikaku/torikumi/tokubetsushoku.html
区長のヤジに対しては区のホームページ読んでから言ってね。とも言えず
「区長、静かにしてください」としか言いませんでした(笑)

まあいずれにしても6月の人生初の本会議で韓国との友好都市締結反対であれだけヤジの嵐を受けた事が功を奏したのか、ヤジの内容を聞き取れるまでに私の耳も鍛えられたようなので今後は区長からのヤジの内容にも耳を傾けていきたいと思います。

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