この時期の友好都市協定締結には反対。

「時期が悪い、プロセスが悪い、内容が悪い。」

議員としての任期が開始された5月1日からのこの約2か月という短い間に、数々のカルチャーショックともいえる経験をしてきました。

そして迎えた6月28日。令和元年第二回目黒区議会定例会の最終日。

私は「議案第32号友好都市協定締結について」反対の立場から討論をいたしました。(この時、賛成の立場から討論した無会派議員もいました。)

私がこの議案「大韓民国ソウル特別市チュンナングとの友好都市協定締結について」に反対したのは、以下大きく3つの理由からです。

① 時期が悪い

② プロセスが悪い

③ 将来の展望がない=内容が悪い

そこには、それぞれに反対するに至る経緯と理由があります。

先ず①「時期」に関して。

皆様も連日の報道でご存知の通りだとは思いますが、6月28日当時も既にG20においても両国首脳会談を見送ることは報道されていました。

昨年から日本政府は徴用工問題やレーダー照射問題等を含め、かなり慎重に対応していました。その結果、この1年近くにわたる韓国政府ならびに国民の感情は「非常に不安定」でした。

この点を指摘した時、今回の計画となっている友好都市提携締結を積極的に推進した目黒区長はじめ、賛成した多くの議員が声をそろえて言いました。「この様な両国間の情勢だからこそ、草の根活動こそが大切だ」と。

それはその通りです。この事に関しては私も全く異論はありません。国同士の関係の悪化が民間交流の阻害になるのは良いことではありません。

ただ「行政同士の交流」は草の根でしょうか。区民の税金を使い、区長と議員を連れて行く交流、その中で子供たちの交流を上からのお達しで訪問させる交流事業は、草の根の活動なのでしょうか。

私は、一般市民間の交流や草の根活動に対して過去も将来に渡っても一切否定する考えはありません。私の考える「草の根活動」とは、その言葉がgrass rootsに由来するように、隠れて見えない草の根もとであっても民衆ひとりひとりが活動する。地域の一人ひとりが当事者となって起こす運動であり、市民活動や住民運動などと同義だと捉えています。

だからこそ、私の頭の中には区民の税金、すなわち公金を使って行う地方自治体の活動が草の根の活動に含まれるという理解は「一切」ありませんでした。
そして地方自治体の活動であるなら、すなわち区民の税金を使うありとあらゆる事業に自治体はその責任を負うべきと考えています。

今回の友好都市締結はまさに後者です。民間レベルの交流活動ではく、今回は自治体と自治体との契約なのです。一度結んだら簡単に覆すことのできない、クーリングオフのない契約なのです。民間以上の責任が伴うのは当然です。
だからこそ友好都市協定の締結を急ぐべきではない。だから十分にお互いに話し合い、区民からの要望や後押しをすすめて、誰からも文句が出ない状態で締結を実現させるというプロセスが必要だと思うのです。

さらに今年度目黒区の自民党幹事長からは、この件に関しては「議会で温めてきた、議会で繫げてきた、議会で承認してきた」と私の事実誤認を指摘しておいででした。

この締結に至るまでの交流はたった3年です。日本国内で友好都市協定を結んでいる気仙沼市や角田市が友好都市となるまでに、一体どれだけの積み重ねがあったのか。古くから議会にいる方ならご存知のはずです。このように本当に日々助け合っている自治体同士よりも圧倒的に短い年月で、それもこの時期に協定を締結する必要があるのでしょうか。議会が認めればなんでもできる、というものなのでしょうか。

「区民の気持ちはどうなるの?」これが素直な私の気持ちです。

そして②「プロセス」に関して、

公明党目黒区議団の議員のブログにも記載されている通り、「目黒区青木区長の提案で、中浪区含めた3区間による青少年のバスケットボールを介したトライアングル交流事業を実施し、国の外交問題にとらわれない自治体同士による草の根レベルでの交流事業が展開され今年で3年目を迎えます。今回は中浪区での開催で、その事業のタイミングに合わせて友好都市の締結式が催される事になります。」とのことでした。

本来であれば自治体間の友好都市協定締結は議会の承認を得てから締結式の日程等を進めていくのが普通だと思います。しかし今回は交流事業ありき、その日付に合わせて締結式もしましょうという。これ自体が私には「ご都合主義」だと思えた訳です。そして前述の件からもお判りの様に私以外にも賛成した議員の中にも「事業のタイミングに合わせて友好都市の締結式が催される事になった」と誤解している議員もいた。これで区民に「たまたま3区間交流事業がこの日程で開催されるから決して締結式を急いだのではない」と正しく伝わるのでしょうか?

議会軽視ではない!!と行政の弁護をする目黒区議会。議会とは行政をチェックすることが仕事であるのに、これで果たしてチェック・アンド・バランスの作用は十分に機能するのでしょうか?

最後に③「内容」に関して、

無所属新人議員である私も他の無所属新人議員同様に、今回の友好都市締結の議決以前に区長から呼ばれ短時間ではありますが、区長から直接説明を受ける機会、そして質問をする機会を頂いています。その中で、私は、「なぜ、今回の3区間交流事業の内容が男子にのみ限定されたバスケットボールの交流試合なのか?」について区長に直接質問をしました。

区長からの説明では、「目黒区は男女共にできることを提案したが、韓国の交流先には女子のバスケットボールチームが無く、それで仕方なく今回は男子だけになった。」と説明して下さいました。

また、私は「バスケットボールが無理なら他のスポーツでの交流もあるのではないか?」とも伺いましたが、区長からは「今時は卓球とかバトミントン等のスポーツは韓国では中学生には人気が無いから仕方ない」と他の競技ではダメな理由を説明して下さいました。
なぜ故そこで目黒区はもっと協議をしなかったのだろうか?友好都市になろうとしている相手に対して仕方なくって・・・それは違うのではないでしょうか?
お互いが納得できる内容に至るまでもっと時間をかけて交渉すれば良いだけのことではないでしょうか。

私はスポーツ交流が難しいのであればと思い「男女混合でのスポーツが難しいのであれば、文化交流はそうなのでしょうか?」という区長に質問してみましたが、青木区長は、「まぁ、とりあえず締結してそれからそういうことも色々と考えて行けばいいのでは?」と・・・・
そして何度も韓国語のことをハングル語という青木区長。本当に韓国という国に興味があり理解して友好関係を築きたいと思っているのかどうかすら私には怪しく思えました。

この経緯にも「行政からのお仕着せ」を強く感じました。交流する必要があるから、交流しやすいスポーツを選ぶ。交流しやすい競技を選ぶ。草の根とはこういうことでしょうか。

日頃からスポーツで交流している。日本国内の友好都市にもなっていない多くの自治体と、目黒区内の民間事業者は交流しています。商店街やスポーツでの交流もあります。そういったものの積み重ねから結ばれるのが「友好都市」だと私は思います。

しかし今回は違います。目黒区議会の一部が主張してきた。目黒区長がその主張に乗った。交流することになったから交流しやすいスポーツを選んだ。交流しやすかっただけなので男性だけでも構わない。これは明らかに「区民は二の次で進められている」ように感じられます

そしてさらに言えば「今後の事業計画がない」というお粗末な現実があります。新規事業を始めるにせよ、新たな契約を締結するにせよ、今後の展開、展望、目的がはっきりと定まっていない。これに対して、もろ手を挙げて賛成などできるはずがありません。

以上の様な理由と経緯から私はこの議案にこの時期に賛成することはできませんでした。

「事実誤認だ!!」「地方自治への冒涜だ!!」とヤジが飛び交う議場で、なんと言われようと、自民党議員から議事進行を出されようと、その後40分間にわたり議長室で議長と議会事務局長から発言の訂正を求められようとも、私が自ら行った反対討論の内容を一語一句訂正しないとしたのは、これだけの事実誤認してしまいかねない事実の積み重ねがあったからです。

事実誤認なら、それこそ「間違って討論したやつ(私)の恥」なだけで、そんなの放っておいても問題ないでしょう。それなのに熱くなって目黒区議会第1党が恥も外聞もなく議事録の訂正を迫るなど、大人気ないにもほどがあります。

「自分の判断としての反対討論なので訂正はしません。事実誤認なら、それも背負うのが政治家としての発言責任で、都合が悪くなったら削除などすること自体が恥ずかしいと思えるからです」

休憩の最中に、何人かの議員から『誰も反対していない内容に一人反対して、協調性の無いあなたのわがままのせいで、17時に終わるはずの本会議がここまで延長し、区長だってこの後の予定もあるのに、みんなが迷惑している』などと言われもしましたが、これこそが議員としてどうなのでしょうか?本会議が17時びったりに終わるなど誰が決めたのでしょうか?そして

私が誹謗中傷をしたり差別発言をしたのであれば、議事録の削除にも応じますが、何の問題もない内容で、大会派の意に沿わないかといって削除するなら、それこそ議員としてはどうなのでしょうか?議会のルールも守って反対討論をし、その内容に事実誤認があるとして、

精査して欲しいと願い出た自民党の議員に対応した結果の精査のために必要な議会延長だったと思います。

議員だからこそ一度発言したことには責任を持ちます。この討論内容が「私は正しいと思った」からこそ、議員として反対討論をしました。その内容や主張に対して騒ぐ方がおかしいと今でも思っています。

議会のルールも守って、ちゃんと言いたいことを主張したら議事訂正を求められる。関係ない議員からも文句を言われる。これはいったい何なのでしょうか…。

【録画をご覧頂く場合は以下リンク先から】

会議名から選ぶ⇒令和元年第2会定例会⇒6月28日本会議 
を選択 33分33秒辺りから録画がご覧頂けます。
http://smart.discussvision.net/smart/tenant/meguro/WebView/index.html

【文字でお読みになりたい方は以下全文書き起こし】

「大韓民国ソウル特別市チュンナングとの友好都市協定締結について」、反対の立場から討論いたします。

昨年来続いている日本国政府と大韓民国との政府間のやりとりはここにおられる皆様方ならば全てご承知のことと思います。その結果、現在開催中のG20においても両国首脳会談を見送るという内容の報道もされています。このような国際的な情勢の中で、目黒区と韓国ソウル特別市中浪区(ちゅんなんぐ)は、それぞれが中華人民共和国北京市東城区(とうじょうく)の友好都市である。という理由だけで友好都市締結を急ぐことは政府外交政策を鑑み時期尚早だと考えます。私も新人議員ではありますが、同3か国3区の過去の経緯は存じ上げております。国際交流事業そのものに反対は致しません。しかし今回の友好都市協定締結について議会で議決する以前に「韓国で行われる締結式」が予定されていることは、目黒区行政機関による明らかな議会軽視と考えます。どのような施策であれ、実施において議決が前提である計画については必ず議会議決を経なければならないのは、法治国家に於ける原則です。友好都市としての締結が議会において確定した後に締結式の詳細を定めるのが当然ではないでしょうか。今回の友好都市協定締結は「たまたま3区交流事業が決まったから、合わせて締結式をしよう」というご都合主義とも取られかねないものであるため、友好都市の締結について認めることはできません。

現在の目黒区では、予算確保が難しいという理由から区民の安全に関する事業ですら先送りとなっており、関係する喫緊事業も検討中という状況です。そのような状況でなぜ、多くの議員が帯同する必要性があるのかについても首をかしげるものがございます。

友好都市協定締結をすることで結ばれる関係がどのように良い結びつきであったとしても、こうした議会軽視のプロセスのもと、2019年6月の議会においてこの議決を行うことに対しては、時期が国際的にも適切と言える状態ではないと考えます。議会の皆様ならご存知のように、外交は国の専権事項です。国家間の流れを軽視する行動は、議会人として認め難いのが当然だと考えます。

さらには締結後の交流事業の展望もなく、ただ締結式日程に合わせて中学生男子に限定したバスケットボールによる交流というのもバランスを欠くと言わざるを得ません。

仮にオリパラを控えホストシティ東京の目黒として国際的都市間交流の一環としてどうしても友好都市協定を結びたいとするならば、子どもたちのグローバル教育発展のため男女共に参加が可能な事業を検討すべきで、その実現のためには英語圏自治体も含めた友好都市連携も視野にいれるべきと考えます。

自由を守る会の立場として、私、白川愛は、本議会におけるこの友好都市提協定締結案に反対いたします。

【その後】

今年に入ってこれまで両国間で積み重ねてきた友好協力関係に反する韓国側の否定的な動きが相次いだことで、韓国との信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっていると判断し、軍事転用が可能な材料に関して輸出管理を適切に実施する上での必要な日本国内の運用の見直しをするという内容が連日報道されています。

経済産業省は韓国をホワイト国から削除する政令改正案のパブリックコメント(意見募集)を開始しています。

この様に日本政府による韓国向け半導体素材3品目の輸出管理強化により、日韓関係が冷え込む最中、韓国のSNS上では、「#boycottjapan(日本を排斥しよう)」といった日本製品不買運動が展開され、日本製品の排除や日本への旅行の中止を求めるメッセージの投稿が相次いでいます。

影響は地方都市にも広がり、韓国京畿道の議政府市が「国民感情を考慮する」との理由で、友好都市である新潟県新発田市で小中学生や市長らを今月27~30日に新発田市に派遣し、柔道や卓球、剣道の交流試合を行う予定だったスポーツ交流会への子どもの派遣を「保護者の心配が大きくなっているため、派遣は難しい」とのメールが届いたことから、派遣自体が中止になるという動きも出てきています。

この様な状況の中で、韓国ソウル中浪区との友好都市協定締結を強行する目黒区では以下の日程で関係者を韓国に派遣することを決めています。

7月24日~26日
区内の男子中学2年生12名を韓国ソウル特別市中浪区にバスケットボールの交流試合のために派遣。青木区長、尾崎教育長、役人数名と教師数名も試合を応援するために帯同。更に、友好都市協定締結の締結式のために目黒区議会からは以下の8名の議員がこれまた公費で韓国に派遣されます。

宮澤 宏之  議員(自民党)

田島 けんじ 議員(自民党)

鈴木 まさし 議員(自民党)

おのせ 康裕 議員(自民党)

山宮 きよたか 議員(公明党)

山本 ひろこ 議員(立憲民主党)

岩崎 ふみひろ 議員(共産党)

吉野 正人 議員(新風めぐろ)

そして、目黒区の日韓友好目黒区議員連盟からも自民党のそうだ次郎議員、西村ちほ議員。立憲民主・目黒フォーラムからは鴨志田リエ議員。他数名の議員たちも同じ日程で韓国にバスケットボールの試合を応援しに行くそうです。元議員も参加するとのことですが、いったい最終的に何名の議員、元議員の御一行様になるのでしょうか。

以前にも共産党の議員は自身のブログでも、「区民の暮らしが厳しい時に、海外視察など税金の無駄使いだ!!税金を使っての議員の海外視察など許されません!!」と激しく批判していたはずなのに、今回の議員派遣に関してはあっさり賛成。視察じゃないから良いというロジックの可能性も否定できないが、自民党の無駄使いに真っ向反対してくれるのでは?と期待していただけになんだか私は肩透かしを食らった気分です。

次回以降のブログでは実際にこの事業に係った経費の面にも触れてみたいと思います。

なお、参考までに平成25年5月29日(水)から5月31日(金)まで(2泊3日)で目黒区行政職員調査団が大韓民国ソウル特別市中浪区を訪問した際には6名分の職員旅費等で548,200円の経費が発生していました。

大手旅行代理店で2泊3日ソウル旅行に1名20,000円台で行けるご時世に、一人辺りの旅費に90,000円もかけるあたりがこれまた民間感覚からはかけ離れています。今まさに私たち中小企業の経営者は出張経費もできるだけケチってネットでなるべく安いチケットを探し、出来るだけ日帰りでやりくりしているというのに。

規定の海外出張旅費に従っているだけです!!と議会事務局は言うのでしょうが、その規定自体が昔、昔、海外渡航が身近じゃなかった時代に、ネット予約もできずに、旅行会社に丸投げしてた時代の旅費規程なのでは?とすら私は思っています。時代に合わせてどんどん変えればいいのに。今時海外へ行くのなんて国内旅行よりも場合によってはお安い時代なのに。おかしなことだらけです。

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