目黒区では長年待機児童数が23区内でもワースト3圏内を行ったり来たりしている状況が続いておりましたが、今年度、遂に悲願の待機児童ゼロ目標を達成する事ができました。
【今後の予測】
多くの保育園が整備されたからには今後は区内でも、育児休業の普及により0歳児の入所が無い、また利用申し込みも減少し定員割れを起こす認証保育所が増加する事も予想されます。
その様な背景から今後の状況変化に備え園運営の安定性の確保の観点からも目黒区に対して入所児童数見合いの保育士配置を可とし、認証保育所の経営の安定化と保育士の有効活用を図る対策を講じられるよう去る10月12日、要望を致しました。
【現状】
保育士の配置は「設定された定員」に見合う配置が義務付けられているにもかかわらず、事業者の運営に係る補助金は、「実際に入所している児童数」に基づき算定された額しか交付されません。
【コロナ禍での経営負担増】
今年度は、特に、新型コロナ感染症拡大を防ぐための自粛要請や区内での臨時休園が行われる中でも保育所等における保育の提供の縮小等の実施に当っての職員への賃金及び年次有給休暇等の取り扱いについて賃金を通常通り支払う等、経営負担が大きくなています。
【課題:経営圧迫要因と人材確保】
しかしながら、認証保育園では、確保している人員は定員見合いの職員数なのに対し、それを担保する補助金は、入所児童数分しか交付されていません。
このため、定員通り入所していない場合は、定員に見合う職員配置の人件費と実際に入所して児童数に応じた配置との人件費の差額分は事業者負担となり、これが経営を圧迫する要因となっております。
また、目黒区内でも東京都内全般でも保育士の確保それ自体も極めて困難であり、従前より定員見合いの職員配置の義務は、大変に大きな課題でもありました。
【保育士不足を解決するために】
この課題解決のため認可定員と異なる利用定員の設定を定めている自治体、またその場合の職員配置の基準などを定め定員の弾力化を図っている自治体もあります。
東京23区では、2019年に待機児童ゼロとなった杉並区、港区の2区に加え、2020年は千代田区、目黒区、世田谷区、豊島区の4区が達成し、23区中6区で待機児童ゼロとなりました。
しかしならが未だ保育を必要とする児童が23区全体では相当数おり、本区は他の近隣自治体に先駆け悲願の待機児童ゼロを達成した自治体の責務として東京全体の問題としてこの保育士不足を捉えて頂きたく配置基準の弾力化を図って頂きますよう要望致します。
保育士が預かり児童のいる本当に必要な園で即戦力をして働くことができないという点から見ても、保育士の有効活用としては逆行する状況であり、本区においても見直しが必要な時期が来ていると考えます。
【具体的な要望内容】
つきましては、在籍児童数に見合う保育士配置で事業者が運営できるよう、要綱の改正を要望致します。これが困難な場合は、園運営の安定性の確保の観点から、保育士配置数に見合う補助金の交付をされるよう要望致します。