決算の認定に賛成の立場から討論をいたしました。

私自由を守る会の白川愛は。今回の決算の認定に賛成の立場から討論をいたしました。

目黒区議会では現在、議会改革をするため議会運営委員会の下に設置した任意の会議体があります。議会運営委員会の下に設置したため、秘密会に該当しない限り情報公開が原則であるにも関わらず、一部与党会派における数名の中心人物による不当かつ恣意的な運用が行われております。政党や会派ではなく、区民が個々人へ投票して下さり議席を頂いた私たちをはじめとする議員の傍聴活動を制限したことにより、議会事務局という行政機関による議会資料の公表を阻害している不条理にはあきれるものがございます。

私は今回の決算審議におきまして、こういった議会の悪しき前例を踏襲することなく、「情報を区民も含めてあらゆる人に共有していくべきだ」という視点から、目黒区行政の改善に資するための質問に注力させていただきました。

今回の決算審議は一期生として初めてではありましたが、これまでいくつもの外資系企業で働き起業した経験や常識、帰国子女としてのグローバルな視点、また自由を守る会では地方自治法など議会運営にかかる関係法令や各議会条例の比較検討の研究も深め、あるべき議会運営の知識常識を身につけてまいりました。
その上で、現状どうして目黒区議会の運営がこうなっているのか?という確認をし、区民の知る権利を獲得するため提言を続けております。

とくに問題を感じたのは危機管理への姿勢です。目黒区民の安心・安全を公約とする青木区長ならば、私の主張する内容についてはご同意いただけるものと信じております。

審議で指摘した集会施設予約システムの改修は一例です。私の質疑で、本来なら行政が目指すべき行政資産である施設利用者の増加、民間では当たり前の新規顧客開拓という価値観が見事に欠落し、税を投入しているというのに施設の有効活用には全く寄与しないシステム改修であったことが残念なことに明らかになりました。
実際に契約していた事業者から打ち切られた準備不足の中での整備だったということです。
9千万円以上のコストをかけて改修するようなシステムの導入の際には、全国的にポピュラーなシステムを入れておけば大丈夫という安心を求めてはなりません。今後何十年も区民が使い続けるシステムであるという緊張感を常に抱きながら、今以上に利用者目線に立って対価に見合うサービスを追求していただきたいです。

目黒区は情報化計画といった計画を立てております。にも関わらず、計画自体を頓挫させる「危機」に対して備えていなかったことは二度と起こしてはなりません。区民から預かった大切な税金を使う計画です。平時から常に「万一の時にどうするのか」という視点を、
あらゆる施策において考えるのが、継続性と安定性を重要視する行政機関が重視すべき点だと考えます。

根幹から目的とすべき「区民のための行政資産活用」となる「稼働率を上げる」「新規利用を伸ばす」といった行政施設を有効活用するためでなく、システムが使えなくなるという危機的状況を脱するために用意されたと説明を受けて理解すれば、今回の改修によるシステムが使いにくいものであることにも納得できなくもありませんが、危機回避が自己目的化しては、手段の目的化となり、本来の区民益を損なう危機になるという皮肉な状況となりますまいか。

しかしそれは行政機関としては本来避けねばならない事態です。今後の施策においてこういう準備不足が起きないよう、常に様々な情報収拾をしてください。「その施策を請け負う外注業者がいなくなったとしても正しく運用ができる」という状態は、行政機関が持つべき姿勢の1つです。こういったことで区民利益が損なわれる事態を今後起こさないよう、強く要望いたします。

これは危機管理における命令系統の整理でも同様です。区長や部局責任者が席を外している時は、代理決済できる職員が自動的に定まるような制度があるのなら、遠方で不在の場合はちゃんと代理対応すべきです。アメリカでは、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)にて、大統領から州知事、市長などその権限が危機に応じて委ねられ迅速な判断を下す危機管理がシステム化され決済の分散化はもはや常識となっております。
先日も千葉県で台風被害がありました。その県の対応が後手後手に回ったことは周知の事実です。これは災害が少ない自治体の悪い部分が表れたものです。

災害の多い自治体では「その場にいる最高位職員」が自動的に責任を負って判断することが定められている例があります。例えば目黒区の友好都市である大分県臼杵市ではそのようにしています。こういった友好都市の良い事例を危機の時だけでなく平時から連絡が取れないことで問題が起きないように制度を運用してください。

国内イベント参加時、または国外滞在中のテロ等、予期せぬ事件、事故に巻き込まれた場合でも行政機関が止まらないことは、まさに区民の安心・安全に資する制度設計であると考えます。

また、生活安全パトロールの問題についても指摘しました。同一業者による同一内容の業務委託事業において、金額だけ648万円も上がるというのは、通常の民間企業の視点では過去金額がダンピングであったか、現在の金額が不当に利益を上げているかを疑われる事例です。正当な金額であるのかどうかを常に精査することは、わざわざ指摘されるまでもない行政の責務であります。

改選前と改選後の議会は変わっていることを認識され、血税の重みを再認識し区民に、また議会に説明できる曇りのない行動をしていただきたいと、強く求めるものです。

中小企業振興の一環として目黒区が行っている創業支援塾に関してですが、創業はゴールではありません。補助金の提供が目的化してしまわぬように創業して終わりではなく創業後のフォローアップ事業等、継続的な支援策を実行できるよう情報を収集して支援をするよう要望いたします。

今後混乱が予想される事態として、マイナンバーカードの大幅な用途拡充があります。
これは国策なので、しっかり連携していかなければなりません。令和2年度に実施するマイナンバーカードを活用した自治体ポイントによる消費活性化策、令和3年から始まるマイナンバーカードの健康保険証利用の仕組みなど、本格運用に向けてスムーズな進行ができるよう周知を進めていかなければなりません。
こういったものを全庁的に実施するために必要なものは「情報共有」です。目黒区行政が持っている情報を可視化することで、各部署がバラバラに管理している類似情報を統合していくよう進める必要があります。ある所管では対応しきれない場合でも、他の所管と連携することで対応できる場合は往々にしてあります。

一般的に行政機関の情報化は民間と比較して非常に遅れています。その中でも、目黒区は情報化の先進区としてリードできるくらい5年先10年先を見据えた横断的な行政運営と事業展開をしていくべきと考えます。区民に対するサービスマインドは忘れず、想像力を最大限働かせて危機に備えることを常に念頭に置いて業務を遂行していただきたいと思います。

行政の改善に限界はありません。まず大きな予算がかかるところを中心に、今後は契約する前の段階の情報収拾で慌てることのないよう、常日頃から各所管は積極的な情報収拾と集積に勤めていただくよう強く要望し、平成30年度決算の認定に賛成いたします。

自由を守る会は、自由・自主・自律の理念のもと、区民の自由と血税を守るべく、たゆまず活動を進めてまいることを区民に約束申し上げ私の討論を終わります。

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