決算審査の途中ですが・・・

今、正に9月の目黒区議会では決算審議の真っただ中。
私は今回目黒区で起きた重大な個人情報漏洩事件の発生を目黒区が把握していた時期に着目した質問をしました。

個人情報漏洩事案の被害者となってしまった女性の住む自治体からの連絡で目黒区(区長他幹部職員、担当部署)は昨年10月にはこの発生事実を把握していました。

個人情報漏洩事案に関してはこちらをご参照下さい。

そして、その後、決算委員会での質疑により、一部の役職に当時就いていた議員(議長、副議長、所管委員会委員長、副委員長)には区側が事案を把握した後、おおよそ一週間以内には事案発生の報告がなされていたことも判明しました。

ここで一つの疑問が湧いてきたのです。

これだけのミスを連発して報酬を上げる!?

昨年10月には区長も幹部職員も、一部の議員も個人情報の漏洩が目黒区のミスにより発生してしまった事実を把握。

  ↓

そして、その2か月後には、区長以下幹部職員、議員の期末手当が増額される

条例改正案が議会に提出されていた。

ということです。

私は昨年の12月この報酬増額議案【議案第60号「目黒区長等の給料等に関する条例等の一部を改正する条例」】に反対をしました。この改正は残念ながら当時、大会派を中心とした大多数の議員の賛成により可決され、結果的に区長は約15万円、議長は約10万円、議員は約8万が年間の収入として上がることになってしまったわけです。

その辺りの経緯等は過去ブログをご参照下さい。

これでは行政と議会の信頼関係は成り立たない


今回、目黒区税務課が起こしてはいけないミスを連発し、ミスが起きても仕方ない作業フローの見直しもシステムの改善も行われず、事件が発生するまでリスクを放置していたのは他でもない区の最高責任者である区長です。
当然ながら区民に対しても説明責任があります。

私は今回の決算審議の質問の中で確認したかったのは

「議会が正式に報告を受けなかったこと」がこの区長報酬UP議案の議会議決の判断に影響しなかったと区長は考えているのか? ということです。


前提条件として、区長は公明正大であり、真面目に仕事をしていると信じて議案に賛成した議員も多数いるのではないかと考えられるためです。

いつであれどのようなものであれ、判断というものは「正しい情報が与えられることによって正しくなる」ものです。私は、この情報漏洩事案の議会への報告が無かった事が、少なからず議会の区長に対する判断を歪めたと考えています。

行政は隠しごとをすることなく議会に正式報告をしていると信じているから、信頼関係によって賛同した議員は多数いたのではないでしょうか?

目黒区行政が時に情報を隠し、行政が自らを有利にしようとするのであれば、それは行政のチェック機関としての区民の代表である議員の集合体である議会を軽視していることになります。

今回のように1年近くも放置するようなことを今後も続けるならば、行政と議会の信頼関係は成り立たないと考えます。議会軽視をしていないならば、まず行動として「なるべく早急に正しい情報を提示する義務があった」と考えます。

現在までの状況を客観的に見ると、区長という上司が、部下の重大なミスを犯していた事実を隠していたというのが実際に生じた事実です。

仮に昨年9月末に起きた個人情報の漏洩の事実が速やかに議会に報告がなされていたら区長の期末手当の増額に対する賛否に影響を与えていた可能性も否定できないと考えます。

事件発生直後に速やかに事実を公表していた場合、議会からの区長の報酬増額議案への賛同は得られていたと区長は考えているのかどうか?

そこを確認したかったのです。

未成熟情報って何?

区長の答弁は(私のメモ)

隠蔽したという立ち位置は白川議員の立場からの意見であり、区長自身は隠していたとは思っていない。
まだ、経過途中であり、全て終わっていない、未成熟な情報であったので議会には報告しなかった。
4人の議員にだけ報告したのは議会に逆流する懸念があったため、もしかしたら既に逆流があったかもしれない。
当事者の方とは今でも話し合いが続いている、当事者との双方の話し合いがあり
今日まで話の継続が続いている状況である。
あってはならないことである認識はしている。その上でやるべきことはしてきた、今後も被害者が例え公表を望んだとしても未成熟な情報は出さない。というのが区長の判断。
議案については区長自身がどうこう言う立場にはない。

とのことでした。「逆流・未成熟な情報」???
私にはまったく理解不能な区長言葉だったのですが・・・


(私の心の声)

私には、ようするに区長の自らの下した判断は間違っていなかったし、今後も変わらない。

議会で報酬上げることを承認したのはあんたたち議員なんだから僕は知らないよ。っと言ってるように聞こえました。

私の言いたい事は、昨年の12月の議会で区長らの報酬増額議案が出された当時、賛成、反対を決めるにあたって全ての情報が全議員に対してオープンになっていなかった事が問題であり、区がしたことは、議員(議会)に対してフェアじゃないよね。ってことです。

だからもっと他の議員も怒っていいと思います。それなのに何故か、私がこの情報漏洩事件に関連する質問すると議場には『重~~い空気』が漂います。

「もう、ほんとにこんな大事なこと区長選挙の前に起こしていたのに、公表もしないで区民への説明責任も果たさないなんて!!

一歩間違ってたら人の命に係る様な重大な事件になってたかもしれないのに。そうじゃなくたって、NHKのニュースにまでなちゃって。

私たち議員にも知らせないで、何も知らずに区長を選挙で応援しちゃった支援者から「どうなってんのよ青木区長!?」「区の対応ひどいんじゃないの!?」
なんて区民から聞かれたら、どう説明すんのよ!!区長が一軒一軒説明に回って欲しいぐらいだわっ!!って。」

私が仮に区長を選挙で応援していたとしたら絶対にそう思う。(私の心の声)

正しい情報を与えずに審議させていた

その時の判断はその時の判断として

今は事情も当時とは変わって来ています。報酬だって上げちゃったものは下げれば良いだけかとも思います。その時点で正しい情報を与えられずに審議していたのだから。

今回の決算審議を通じて、公明党会派などを中心としてコロナの影響で今後の歳入減を懸念して区長以下、議員含む報酬の減額を促す質問が多く出ていました。

また、別件(こちらに関してはhttps://aishirakawa.tokyo/blog/5002をご参照下さい)

私が情報公開請求していた検討会資料の開示拒否決定が一転全部開示になったことで得られた資料からは、自民党・公明党会派を中心に費用弁償や政務活動費の減額や廃止も含めて検討されていることも確認できました。区民生活がますます厳しくなる中で大会派を中心とした議員らが自らの税金の使い道を含めた「区のお財布の口を閉める」提案が活発化してきています。

一度上げた報酬を下げるにはそれ相応の理由が必要でしょうが、今回はどのような形であれ、報酬減額案が議会に提出されても大会派を中心に上記一連の動きから見ても反対する議員はいないでしょう。安心して区長には議会に議案をご提出いただきたいものです。

一部の議員の方々の間では、どこの会派が提案したから反対とか、誰の手柄だとかそんな 些細なことを気にしておられる方がいると区民の方から聞こえ漏れてまいりますが、

私は無所属です。どこの会派にも属しておりませんから、はっきり言ってしがらみフリーです。今から遡ること約1年半前、自らが区民の皆さんにお約束した課題の解決が少しでも進めばそれで良いのです。誰がやってくれても、どこの会派が提案してくれても、そこは全く気になりません。むしろとってもありがたくすら感じます。

区長の退職金廃止や議員の費用弁償の廃止など含め「税金の無駄遣い」、「区民参加による行政チェックの可視化」などが可能となる施策には誰が提案した等一切関係なく今後も積極的に賛同していく所存です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA