目黒区議会にて一般質問させていただきました。

自由を守る会の白川愛です。
目黒区議会の一員として区政一般に関する質問をいたします。

目黒区では昨年、痛ましくも悲しい事件が起きてしまいました。私は3人の子供の母として、幼い命が虐待によって失われるという重大事態に大きな悲しみと衝撃を受けました。本来であれば子供を守るべき親からの虐待は、子供にとって避けようのないものの一つです。このような、起きてはならない事態に手を差し伸べるべきは行政機関だと考えます。

常に行政機関は共助として住民と自治体が助け合う姿勢の大切さを説いているように、住民が行政に協力することを求めるばかりではなく、力なき子供たちを守るため、行政機関は全力を尽くすことが必要なのです。
だからこそ、虐待という真の弱者に向けた対応では、行政機関は率先して共助を行わなければなりません。

体制が整っていないから、今準備しているから、昨年、自らが陳情を出した中でそのような説明を議会の皆様からも、そしてまた行政機関担当者からも受けました。

一経営者としての視点から私がみたとき、その動きはあまりにも遅いと言わざるを得ません。私が経営者として会社の運用を見るとき、最も重要視するのは情報共有です。現場の人間と経営者の考えが一致するため、また複数の部署の行動が一致するための最善の方法は「最新の情報が常に共有されている」ことに尽きます。

現在の目黒区は「自分たちの把握している情報」の価値を理解しておられない。そして、自分自身の持つ「ちから」を理解していない。自分たちが把握している多くの情報にこそ「価値がある」と気付いていないのではないかと思い当たりました。

そこで情報共有を進めるため「区民の安心と安全」にのみ絞った以下6点にわたり事前通告に従って質問させて頂きます。

なお、私の質問内容は事前通告時、そして、当選以来各所管をまわり、何度も確認してきたものです。思いつきではなく裏付けは、ほぼ得た上でご質問しております。
ですから30分しかない一般質問ではございますが、繰り返しお伺いする事が無いよう、マニュアル答弁ではなく明快かつ明瞭なご答弁をいただけますようお願い申し上げます。

区民の安心と安全にむけた目黒区の姿勢と取り組みについて

区長は初当選以来一貫して「区民の安心と安全を守る」ことを公約として掲げ、その実現に力を尽くしてきたと伺っております。私も一区民として、区内を巡回する青色回転灯のパトロールや、見守りネットワークなどを把握しております。

しかしながら、地域の児童についての安全はどうでしょう。昨年の事件は明らかに情報が分散していて、多くの部門が全力を尽くそうとしても、その機能を十全に達せられなかったことが原因だと判明しています。 表面的な安全が守られていると考えられる現在、より一層、区民一人一人の事情に寄りそうことで、区長の提唱する「安心と安全」をあらゆる年代で達成できるようにすべきだと考えます。そのために目黒区は常に主体的にリードできるよう、いつでも情報を共有できる、共有して周知できる体制を整備する必要があるのではないでしょうか。

(1)子育て支援の一環としての安全管理について

前段にも申し上げました通り、児童虐待など家庭の事情に踏み込めていない現状があります。
それは個人情報保護をはじめとしたプライバシーの壁によって、結果として子供の安全が軽んじられているためです。私、白川愛は自分の身を自分で守れない子供たちを守るためには、プライバシー侵害をしない範囲で、行政機関の各部門が得ている情報リソースを活用できる情報連携が必要だと考えますが区長はどのようにお考えでしょうか。

「自らの身を自分自身で守れない 本当に立場の弱い人の安全を守ることを」目的とした時、

「現状の情報連携では不足しているため情報連携を推進する」 あるいは

「現在の情報連携で十分と考えているので情報連携を推進しない」 

区長の姿勢として、どちらであるかをお尋ねします。できる限り端的にお答えください。

(2)区長部局内の情報連携について

区議会議員に当選して以来、私は一貫して現状を把握することに努めてまいりました。
正しい提案をするためには現状の問題を浮き彫りにする必要があるためです。
各所管の皆様には貴重なお時間をいただき、ご協力頂きましたことに深く感謝しております。

その情報収集過程で、事業そのものや運営している活動の調査の中で、いくつかの問題が散見されました。特に気になったのは、この質問で再三問題にしている「情報連携」の状況です。

A課の方に尋ねると「それはB課にしっかり依頼してあります」とご返答をいただきます。部が異なることもあり、結果の報告を得ていなかったようなので、そのB課に訪問した際に結果の報告などはどのようにしているのかを確認したところ「A課から依頼自体を受けた覚えがない」というご返答でした。
どのような方法で依頼を受けることがあるのかという手順を尋ねたところ、「正式ならば書面で、緊急なら口頭で受けることもある」と確認できました。

行政機関ならばPDCAサイクルを回すことは基本として理解しておられると思います。どのような原因かを一つ一つ追求する気はありませんが、個別の事情や理由にはあまり意味がありません。どのような条件、理由があろうと、Planを用意したならDoを実行する。Doが実行されたならPlanを考えた課でしっかりCheckして、そこから次のActionに繋げる必要があります。

どんなにすばらしいPlanであっても、このような連携の失敗が行われている限り
労力の無駄遣いになりかねません。むろん成果も上がりません。区長部局の各課が全力を尽くして区政運営をより良いものにしていく上で、今までこの連携ができるように何をしてきたのか。そして今後はどの様にして、このような不備が再演しないようにするのか、区長の考えを、お伺いいたします。

(3)目黒区庁舎内での情報連携について

先ほどの質問はあくまで区長部局におけるものです。こちらでお聞きしたいのは教育委員会部局における取り組みについてとなります。
教育委員会は独立部局で、教育長のもとで運営されているため、教育委員会内の各課が全力を尽くして区政運営をより良いものにしていくため、今までこの様な連携が確実に行えるように何をしてきたのか。そして今後、さらに良くするためにどの様にしていこうと考えているのかを、お伺いします。

(4)教育委員会が伝える不審者情報について

現在メールで警察から配信された情報を更に「外部委託した事業者に年間71万円で依頼をし、「再配信しているだけである」と確認しています。この情報については「事業者側がメール形式で保存はしているものの、実際に教育委員会内のデータベースとして管理はしていない」ことも把握しております。

記録しないことについて尋ねた時に「プライバシー」という文言を担当の方がおっしゃいましたが、不審者のプライバシーを守るために目黒区住民の安全が守られない、などという本末転倒なことを教育委員会全体としては考えているはずがないことを、私は確信しております。

「不審者情報を活用するのは各学校であり教育委員会は関与していない」ともお聞きしました。教育委員会はあくまで啓発と協力をしている、と。各学校においては不審者マップなどを作成するなどの活動もしていると聞き及んでいます。

この様な不審者情報について、本来ならば一番最初に情報が集まってくる教育委員会、あるいは区長部局である区民生活部など、日常的な区民の生活に関わる部門で、町会や住区住民会議、学童保育クラブや地域の幼稚園や保育園、あらゆる「自分の身を守りきれない弱者」である子供たちを守るため、情報を集中させて「全員が刻々と蓄積されていく同一の情報を見られる環境」を用意すべきではないでしょうか。

そのための方法は大々的なものでなくても十分に機能すると考えます。事前通告ではあえてGIS、つまり地理情報システムを挙げましたが、無料で利用できるグーグルマップでも作れるレベルの話なのです。不審者がいつここに出ました、という過去発生したリストの共有、その場所を視覚的に確認できる地図情報、この2つを整備し、せめて町会など地域協力者の皆様、地域で子供達を守ってくれる幼稚園や保育園、学童保育の皆様、そして学校や区の施設の関係者が「同じ情報を常に把握できるようにする」ための 危険情報の共有が必要だと考えますが
いかがでしょうか。

(5)地域との情報共有について

現在町会が設置する防犯カメラには目黒区が補助金で12分の11まで出しています。町会は独自に設置すべき場所を設定する際に警察から情報を得て、また目黒区からも指導を得ていることを確認しています。

前段のように危険情報が共有できていれば、町会が設置する防犯カメラについてもより効果的な位置に効率的に設置できるのではないでしょうか。それは結果として、目黒区は区民の安心と安全を町会任せにしていないという姿勢にもつながります。各所管にそれぞれ区内協力団体や地域協力者が質問して回る手間を減らすことで行政コストの削減にもつながります。

今後の効率的な防犯カメラの設置を進める上で具体的に行う予定の、または、目黒区として積極的な協力をする予定の具体的な方策をお伺いします。

(6)生活安全パトロール(通称青パト)について

自らを守る力のない児童を守るためには、何をしても余分ということはありません。先日も登戸で痛ましい事件があったことは、皆様の記憶に新しいことと思います。

幸いなことに目黒区では、区長が「区民の安心と安全」を守ることに非常に熱意を持っていることを存じ上げております。昨年の悲しい虐待死の事件に対しても、私と同じく3人のお子様をお持ちの区長のことですから、親として悲痛な思いを強く感じたものと確信しております。

区長は区民の安心と安全を守るため、青パトに年間6千万円に及ぶ予算を割いています。この青パトは路上から各家庭への不審者の侵入までを考えて巡回しています。巡回の最中、各家庭の玄関からベランダまで、様々な場所に目を配っているはずです。

そうで、あるならば、昨年目黒区内で無残な死を遂げた結愛ちゃんの様に虐待されベランダに出されている児童を発見することもできると考えます。虐待の可能性がある事例を「青パトが見ている」と区民に知らせられることは、現在の犯罪の抑止と同じように虐待の抑止につながると考えます。

区民の安心と安全を守るのはたいへん大切な仕事です。この危機感を区内全域で共有し、より目黒区民が安心できるよう、公約で進めてきた区長こそが、児童の安心と安全も含めた「区民全体の安心と安全」に繋げられる確実な方策を掲げるべきではないでしょうか。

具体的な今後の方針と対策をお伺いします。

以上、白川愛 壇上からの質問おさせて頂きます。よろしく御答弁のほど、お願いいたします。