昨日、9月11日は、6月に私が目黒区宛に提出した陳情の審議が行われるということで、文教・子ども委員会の傍聴に行ってきました。この日は3件の新規陳情の審議があり、児童虐待防止に関する陳情は私が提出したものを含め2件。やはり、区民は今回の区の対応にそれぞれ、思うところがあるのであろうと思えたことは私にとってはとても心強かったです。
委員長、副委員長との事前面談で聞いていた内容から大きな変化や動きは無かったようで、どの議員からの質問も、それに対する役所の担当課長の答弁も最終的には
『現在、東京都が児童虐待防止条例の制定に向けて調査、検討を進めている。12月頃に条例案が出てくると思われるので、区としては、今は、東京都の制定しようとしている条例の詳細が分からないので中身を見てみないと対応できない。』
という点に落ち着いていく流れだったように思います。
担当課長の答弁は、「一歩一歩ではあるが、確実に情報共有をはかっていく」
「対応がひつようなら対応していく」など、私にはかなり消極的に聞こえました。
こんな回答、仮に民間企業(外資系企業)の会議でやったら次からは絶対にその会議には呼ばれないレベルだと思った。本当に違う世界に来たようだった・・・
児童相談所と警察との児童虐待情報の全件共有に関しては、共産党議員から、もし、仮に全件共有がなされたら、児童相談所と警察の対応はどの様に変わることが予想されるか?全件共有がされたら、通報をためらう区民が出てくるのではないか?というような質問が出ていた。
これに対して、担当課長は 「推し量る部分にはなるが、にわかにはお答えしづらいが」 と前置きしつつも、体制強化の部分で影響は出る可能性はあるが、児童相談所の立ち入り調査など、現在も付与されている権限等には影響はないと思われると回答していた。
現在も、児童虐待の通報ルートが2ルートあること。
警察から児童相談所へは既に全件共有されていることから、児相側は変わらないと思われるとのことだった。
あくまでも児相側で緊急性を判断するのも変わらず、具体的にその緊急性をどのような順位付けをしていくかは、目黒区の担当課長にはわからないので答えられないと。
また通報をためらう事がないように取り計らって行かなければならないと答えていた。まあ、いづれにしても、現状では目黒区は条例制定及び、全件共有には慎重スタンスでした。
それでも、10月には目黒区は警察と情報共有の協定を結ぶという前向きな内容もあり、早く、詳細を見てみたいとも思いました。
そんな中とりわけあまりにも衝撃的な質問が生活者ネットワークの議員から出て、思わず椅子からずり落ちそうになりました。(隣で傍聴に訪れていた都議会議員の口も思わず空いてしまう内容)
目黒区児童虐待防止条例の制定に関しての部分で、以下はほぼ聞いたまま。
「虐待防止に関する条例の制定は区市町村ではあまりないということですし、理念条例になっては意味がないというふうに思いますので、条例制定とすると、すごくそこにかなり仕事量を注がなければならないというところで、条例は作らなくても色々なことができますから、そのエネルギーを使ってもっと、支援的な視点の方に注ぐことで、かえって虐待防止につながる可能性がありますので、その辺は慎重に検討して頂きたいと思います。」
つっこみどころが満載過ぎて何から手をつけていいのやらわからなくなりますが、以下は私の心の声
理念条例になっては意味が無いのはもちろんで、理念条例の制定なんて子どもが虐待死しているんですから、この期に及んで誰もそんなものは望んじゃいませんよ。ですから、どうしたら実効性のある条例になるのか、そこを考えて下さいよ。
条例制定に反対なのはわかりました。でもその理由が、仕事量が増えるからって・・・そんな理由なんですか?! そんな理由で反対されても納得できませんよ。こちらとしては!!
つい最近まで中3の息子がテスト前に「三権分立」についてメモしていたノートを思い出す。議会の役割は「立法府」であったはず。国会であれば法律をつくる場所。地方議会に置き換えて考えれば、「条例をつくる場所」という事になるはずだけど。
私は日本の地方自治って今は大きく変化している時だと思うのです。これまで国が一律で行ってきた課題解決を、今後はどんどん地方が独自に行っていかなくてはならない時代に来ていると。
これまでは国が意思決定し、地方公共団体が解決していた地域の課題を、地方公共団体が意思決定し、解決していかなければならなくなってきてますよね。
地域の課題解決のために地方議員が条例を提案・制定し、実際の問題解決につなげていってもらわないと。
一般的にも地方議員は、地域の活動を通し、自治体の様々な地域で多くの住民と接し、地域の課題について共有する機会が多いので、個別具体的法規範である条例の立案に適していると考えられています。
ですから、昨日の議員の発言はとても残念です。
まあ、他にも議員の活動で最も象徴的な議会活動である議会(委員会)での質問ですら一度もしない議員もいましたから、質問できる機会がせっかくあるのに、もったいない。
副委員長除く、女性議員が2名しかいない委員会で両名がこれでは女性議員ばかりが増えてもね~。と世間から嫌味を言われても致し方ない悲惨な現状でした。
改めて、自分たちの街や生活を役所や政治家に依存してはいけないと考えさせられた日でした。
自らが主体的にどうしたいのか? どう関わっていくのか?
実際には、毎日生活や仕事に終われ、地域の問題に関わろうと思っても時間もなければ、またどうやって関わっていったらいいのか方法も分からない。そんな中で、せめて私たちが直接選挙で選べる地方議員(かなり私たちの生活、行政サーピスに直結する)は慎重に選ぶべし!!と
陳情は継続審議になりました。道のりは長そうですが、私はあきらめず
目黒区児童虐待防止条例の制定を引き続き強く求めていく所存です。