目黒区の外国人学校補助金

9月17日から開催されている令和5年度の目黒区各会計歳入歳出決算は本日30日の本会議をもって議決しました。自身の持つ質問時間54分は全て使いきり,質問の内容が多岐に渡っているため、一つ一つこれから時間をかけて整理して皆様にお伝えしたいと思います。
今日は、目黒区外国人学校生徒等保護者補助金交付についてです。

私が今回の決算委員会での質問の中でも制度の内容、区の答弁のいずれも腑に落ちず、なぜ今まで見直しに向けた議論すら行われずに何十年も現状維持を続けて来たのか?やはり不思議でならないのが『外国人学校補助事業』です。

外国人学校と聞いて、皆さんはどのような学校を思い浮かべますか?

私は外国人学校といえば、広く一般的に言われている「インターナショナルスクール」のことだと思っていました。

しかし、目黒区では『外国人学校という用語の定義を、学校教育法に基づき各種学校として認可された学校法人東京朝鮮学園、学校法人東京中華学校、学校法人韓国学校の設置する学校で、同法で定める幼稚園、小学校、中学校に相当する年齢の生徒を教育するものをいう。』と要綱でわざわざ定めています。

文科省のHPを見てみると、外国人学校について、日本の法律の決きまりはなく

  ・学校教育法第第1条で定められた学校 

  ・学校教育法第第134条の各種学校

  ・無認可のもの 

があり、これらを総称して外国人学校としています。と説明されています。

令和4年に各種学校として認められている外国人学校は全国に127校あり、

目黒区内でもフランス人学校やインド人学校、ブリテッシュやカナディアンスクールなどに通われているお子様方もいらっしゃいますが、それらインターナショナルスクールも各種学校の外国人学校にあたります。

これだけ多くのいわゆる外国人学校と呼ばれる学校法人が設置されている都内23区の目黒区で、皆様からお預かりした税金(全て一般財源)を使って区が行う助成事業が

なぜ、学校法人東京朝鮮学園、学校法人東京中華学校、学校法人韓国学校の設置する3つの学校だけを目黒区は外国人学校と決めたのか?

なぜ、目黒区はその3校に通う3歳から15歳の児童生徒の保護者にだけ保護者の収入に関係なく(所得制限を設けていない)生徒1人当たり月額8,000円を助成しているのか?

令和元年に幼児教育、保育の無償化が始まったことで、この制度の対象者も令和2年からは幼稚園過程も追加されています。(この時の見直しでもインターナショナルスクールのプリスクール等を対象に含めるという検討は一切されなかった。)
その結果、令和5年度の実績は補助対象生徒数は19名となっている。
これに要した金額は¥1,704,000(全て区民の皆様からお預かりしている税金)

外国人学校補助事業の目的は外国人学校に在籍する幼児・児童・生徒の保護者の授業料負担の軽減を図ることを目的としている制度だったはず。

当初の補助制度の設置目的に立ち返って考えれば、外国人学校を上記3校のみに限定しているのも、授業料の家計の負担を解消しようとするのであれば所得に応じた補助になっていないのもおかしなことだと思えます。(なぜなら私立に通うのも外国人学校に通うのもどちらも自由な選択によるものだから)
私の感じる違和感についての改善に検討がされた痕跡は今までありません
。誰も疑問に思うことも無く40年間もこの制度を運用し続けてきたようです。

区の説明

目黒区では昭和59年に制度が開始され、制度化に至った経緯としては昭和50年代後半(57年から58年)に目黒のみならず都内23区の議会にこれら補助を求める方々からの陳情が出され、その陳情を目黒区議会が採択したことに始まるというもの。

陳情が議会で採択された昭和59年当時と40年後の今の議会だけを見てもその違いは歴然、私たちを取り巻く社会情勢は目まぐるしいまでの変化を遂げています。これだけ世の中が変化しているにも関わらず、一切の違和感も疑問も抱かずに、一度作った制度をただただ40年間運用し続けることに何のためらいも持たなかったのでしょうか?

硬直化した目黒区政

この件一つとってみてもどれほどまでに現在の目黒区政が硬直化しているのかお判りいただけるかと思います。誰かに指摘や説明を求められない限り、何も考えない、何もしない。
同じトップが20年もの長きに渡りもその座にしがみついていたことで硬直化し思考停止に陥ってしまった組織。それが私の目に映る今の目黒区青木区政の有様です。
そう思える理由はまだ他にも。それはまた次の機会に。